レッドブルTD予選後インタビュー:ストレートでフェラーリに匹敵。「ホンダのパワーユニットがしっかりと仕事してくれた」

 2019年F1第20戦ブラジルGPの予選でポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン。ストレートスピードではフェラーリに匹敵する速さを披露していた。レッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェに、ブラジルGPに投入したアップデートと、鈴鹿で断念していたフロントウイングについて聞いた。

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ピエール・ワシェ(レッドブル/テクニカルディレクター)

──ポールポジション、おめでとうございます。今回、ブラジルGPでポールポジションを獲得した要因はなんですか。ワシェ:われわれのクルマがきちんと進化していることは間違いない。もちろん、鈴鹿に予定していた新しいフロントウイングを入れることはできなかったものの、それ以外の開発は順調に進んでいる。ホンダも素晴らしい仕事をしているし、燃料も鈴鹿から新しくなった。そういったことがすべて、今回うまく重なったんだと思う。

──車体に関しては、今回、どこがアップデートされたのですか。ワシェ:フロアだ。サイドポッド前の細かなフィンがモディファイされている。

──セットアップはどうでしたか。ワシェ:シンガポールなど、いくつかのグランプリではクルマが早かったのに、セットアップを失敗したことはたしかにあった。しかし、今週末はそういうミスはまったく犯していない。ただ、今回われわれがこれまでとは違ったセットアップを行ったわけでもない。これまでと同様のフィロソフィ(哲学)でセットアップしている。

──予選後、フェルスタッペンは「Q3の最後のアタックで走行ラインを変えた」と語っていました。実際にはどこで変えたのか把握していますか。ワシェ:センター2の最後の方。ターン9からターン11までの3つのコーナーだ。あの部分はライン取りがいくつかあって、それによってリズムが変わる。そこを狙って、ラインを変えたのだと思う。

──予選後、ベッテルはストレートでのレッドブル・ホンダのスピードに驚いていました。これはレッドブルの空力の効率が良いからでしょうか。ワシェ:それももちろんあるが、ホンダのパワーユニット(PU/エンジン)がしっかりと仕事してくれたからだよ。

──鈴鹿で投入できなかった新しいタイプのフロントウイングの開発はどうですか。ワシェ:まだ開発を続けている。ただ、今年はもうタイトルが取れないことが決まったし、2020年も今年と基本的に同じレギュレーションだから、そのフロントウイングの開発は来年用に回した。

──ホンダの八郷隆弘社長が先週、ツインリンクもてぎで開催されたファン感謝デーで「来年はレッドブルとF1チャンピオンを獲りたい」と宣言しました。ワシェ:その思いは、われわれも同じ。20年のレッドブル・ホンダのターゲットはチャンピオン奪取だ。

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