月2万ではなかなか貯まらない…結婚資金100万円を貯めるには?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、結婚資金として100万円を貯めたいという25歳女性。しかし月2万円の貯蓄ではなかなか貯まりません。目標を達成するためには何から手をつけたらいいのでしょうか。FPの前野彩氏がお答えします。

社会人になってから、貯金をせずに毎月入る給料を使い切ってきました。しかし、現在お付き合いをしている方と同棲、結婚を考えているため、余裕をもって100万円程を資金として貯めたいと思っています。ただ月2万円のペースで貯金をしていると、なかなか年数がかかってしまいます。今年4月に転職をしたこともあり、ボーナスは満額もらえませんでした。目標額を達成するために、副業や投資も始めようかと考えています。支出で削れそうなところや、なにかアドバイスがあればお願いします。

〈相談者プロフィール〉

・女性、25歳、未婚

・職業:会社員

・居住形態:賃貸

・毎月の手取り金額:20~21万円

・年間の手取りボーナス額:10万円

・毎月の支出目安:約18万円

【支出の内訳】

・住居費:6万円

・食費:3万円

・水道光熱費:1.2万円

・教育費:なし

・保険料:なし

・通信費:1.4万円

・車両費:なし

・お小遣い:3万円

・その他:3万円

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:2万円

・現在の貯蓄総額:61万円

・現在の投資総額:なし

・現在の負債総額:なし


前野:結婚したい方に出会えたとのこと、おめでとうございます! 新生活に向け、貯蓄意識が高まっている今のうちに、楽しく貯蓄ができるしくみを作りましょう。家計改善のポイントは、「支出を減らす」「収入を増やす」「お金を育てる」の3つです。

目標を明確にすることから

貯蓄のコツは、「いつ」「何に」「いくら」必要か、の3点をはっきりさせることです。

「結婚のために」「100万円」は明確になっていますから、「いつ頃結婚するのか」の仮目標を立てて準備しましょう。

参考までに結婚にかかる金額をお伝えすると、婚約から結婚式、新婚旅行にかかった費用の平均総額は、約467万円です(ゼクシィ調べ)。これをすべて新郎新婦が準備するとなると大変ですが、実際には、ご祝儀などのもらえるお金もあります。友人などからもらうご祝儀の平均額は約233万円、そして、親からの援助などは両家合わせて約195万円です。支払うお金ともらうお金の差し引きをすると、単純計算では、最終的な二人の自己負担は39万円になります。ただし、実際には、結婚費用や旅行代金などは、前払いが大半です。

また、一緒に住む家の準備金として、敷金礼金や引っ越し費用、家具・家電製品なども必要です。住まい関連費として、家賃の半年分を目安に二人で準備することを考えると、ご相談者さんの「結婚資金100万円」は、適切な金額といえそうです。

家計を改善する「3つの方法」

「支出で削れるところを知りたい」ということですが、全体的には引き締めができていらっしゃいます。その中で、唯一見直しをがんばってほしい支出が「通信費」です。機種代金の分割払いがあるのかもしれませんが、残高を一括で支払うと、月々の支出が下がります。毎月の支出が減ると、積み立てに回せるお金が増え、気持ちのゆとりも出てきますよ。

また、プランや通信会社はあなたの使い方に合っていますか? 家電量販店の携帯コーナーでは一度にいろんな会社の話を聞くことができます。一度相談に行ってみましょう。

収入を増やす方法は?

副業OKな世の中ですが、業種や勤務先によっては、副業が禁止されているところもあります。目先の収入で本業を失うことがないように、会社の就業規則を確認しておきましょう。なお、2ヵ所から給与収入がある場合や、ハンドメイドなどの副業の利益が年間で20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。

そして、副業より手軽な副収入の手段が、メルカリやラクマなどのフリマアプリです。自分の住所や名前を知られることに不安を感じる女性が多いのですが、匿名配送を利用すると、個人情報が守れます。着なくなった洋服や読み終えた本の整理をしながらお金が生まれますから、一石二鳥ですね。

お金を育てる方法は?

金融商品の投資、そして、自分への投資と、投資には様々な意味がありますが、どちらもこれからの時代には欠かせません。

投資を前向きに考えているところは、大変素晴らしいです。ただし、「結婚まで」という短期間で高い利益を狙うと、値動きが大きいものに投資したり、投資金額を増やすことになり、値下がりのダメージが大きくなる可能性があります。

投資は1~2年先の結婚資金目的よりは、二人の将来を豊かにする目的で行ってみませんか? 月額1000円程度から投資信託の積立が行え、最長20年間、利益に税金がからない「つみたてNISA」から一歩を踏み出してみてください。

大切な人ができたことで、これからの人生に真摯に向き合っている姿が伝わってきました。お金の使い方は、生き方につながります。「お金のことは二人で話し合うのが当たり前」となるように同棲生活を始めてくださいね。お二人のこれからを応援しています。

© 株式会社マネーフォワード