女子アナ花崎阿弓の婚活日記/3つ下のイケメン役者

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元秋田放送出身で「news every.」のキャスターだった女子アナが嵐の二宮和也さんと結婚されました。地方局を退社後、多くの番組で活躍を続けたにもかかわらず、現在は事務所を退社したそうです。女性として私もその気持ちがとてもよくわかります。

仕事が充実していて、恋人もいたかもしれませんが、年齢を重ねるごとに「結婚しなくていいのだろうか?」と思うのが、昭和生まれの女性だと思います。

周りのアナウンサーはどんどん結婚していきます。もちろん大学時代や高校時代の友人からも結婚や出産の連絡が届きます。いくら仕事が充実していても、「結婚したい!」と思える人が現れたら、やはりどうにかして幸せをつかみ取りたいものです。

私は中学時代、女優を目指して役者の養成学校に通っていました。吹石一恵なども所属していた、関西では名門の養成所です。その養成所でひときわ輝くイケメンの男の子がいました。名前を「一希」といいます。

京都出身の、それはそれは美しい顔をした美男子で、性格もよく演技が上手で、ドラマやCMなども決まっていました。

私は、中学から養成所に行きましたが、毎年びりクラスで、「一希」と同じクラスになることはありませんでした。でも、高校3年生になって大人のクラスに混ざるようになると、飛び飛び級をしてきた「一希」と同じクラスになりました。

噂には聞いていましたが、なんて美しい顔だと見とれてしまいました。その養成所で一番売れている女の子が声をかけていきます。

「一希、おはよ~! このあいだの撮影お疲れ様~」

びりクラスでテレビにも出たことがなかった私は、その2人の光景がまぶしくて、もっと頑張らなくてはと思ったものです。

実は、同じクラスになった一希とはよく恋人の演技をすることがありました。大人クラスは年齢が高い人が多いので、3歳差だと恋人としてちょうどよかったからです。

同じ時間に演技をするので、養成所の実習前に揃って練習したり、終わってからご飯に行くようになり、自然と仲よくなりました。

私は、相手は3つも下だから、私みたいな女性には目もくれないのかと思っていました。でも……。

あるクリスマス、私の家の最寄り駅で演技の練習をしようという話になりました。本屋さんで演技の本を買って、2人で公園に向かっているとき、「あゆみちゃん大好き!」と、お菓子がたくさん入ったサンタの靴下をくれました。

うれしくて涙が出たのを覚えています。練習を終え、家で親に喜びを伝えながらサンタの靴下を開けました。

なかにはティファニーのネックレスと手紙が入っていて、私のいいところが100個くらい書かれていました。自分に自信がなかった私は、こんなに大好きで格好よくて素敵な人に好きになってもらえるなんて、幸せすぎる人生だと思いました。

しかし、雲行きがあやしくなってきました。

友達のようなデートを続けて、もうすぐ冬を迎えようというときです。私は大学進学が控えていました。一希は最上級のクラスに行き、私は役者クラスとともにリポータークラスも掛けもちして、アナウンサーを目指し始めていました。

あるとき、ラーメンを一緒に食べていたら、彼が言いました。

「あゆみちゃんも、大学生になって心機一転、新しい人生を頑張ってね」

意味がわからぬまま、電車のホームまで送られて、電車に乗ったときに気づきました。これは別れを告げられたのだと。その後、連絡もとれなくなりました。わざわざ会いに行くのもストーカーと思われそうで、あきらめました。

お互い、別の道を行く運命だと理解しましたが、2年くらい泣きました。
私の王子様探しは、10代から始まっていたのでした。

●花崎阿弓(はなさきあゆみ)
1988年生まれ。武庫川女子大学卒業後、ケーブルネット鈴鹿、静岡エフエム放送で女子アナに。現在はフリーアナウンサーとして活躍中。夢は『news zero』で原稿を読むこと。通称「ケーブルテレビ界の水卜ちゃん」