第66回マカオグランプリ:バンバーの激走届かず。マルチェッロがGTワールドカップを制す

 第66回マカオグランプリのFIA GTワールドカップは11月17日、18周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたラファエル・マルチェッロ(メルセデスAMG GT3)がアール・バンバー(ポルシェ911 GT3 R)とのバトルを制し優勝。2位はローレンス・ファントール(ポルシェ911 GT3 R)、3位はバンバーという結果となった。

 スタートでは、ポールポジションのマルチェッロがダッシュを決め、1周目のリスボア・ベンドへトップで進入。2番手争いは熾烈な争いとなるが、ローレンス・ファントールがバンバーをかわし2番手へ。4番手スタートのアウグスト・ファーフス(BMW M6 GT3)がバンバーに迫るが、オーバーテイクはならなかった。

 心配された大きなアクシデントは1周目こそなかったが、1周を終えアデリー・フォン(メルセデスAMG GT3)がピットにマシンを戻すと、2周目のリスボアで6番手を競り合ったアレキサンドレ・インペラトーリとケビン・エストーレのアブソリュート・レーシングの2台のポルシェ911 GT3 Rが接触。インペラトーリがバリアにヒットする。

 これでエストーレは6番手に浮上し、5番手のクリストファー・ハーゼ(アウディR8 LMS)に激しいプレッシャーをかけていったが、5周目のマンダリン・ベンドでウォールに激しくヒット。左リヤタイヤが外れコース中央に脱落してしまったため、レースはセーフティカー導入となった。

 レースは残り11周で再開されるが、このリスタートで4番手につけていたファーフスがバンバーをかわす。しかし、リスボアの進入でトップのマルチェッロのインをローレンス・ファントールが突こうとし、そのあおりでファーフスがやや前に詰まり、その間にバンバーが3番手を奪回した。さらに後方では、アレッシオ・ピカリエロ(メルセデスAMG GT3)がリスボアでクラッシュしてしまった。

 トップのマルチェッロとローレンス・ファントール、バンバーという3台は接近戦を展開したまま終盤戦を迎え、4番手のファーフス以下とはギャップが開くが、残り6周でバンバーがファントールをかわし2番手へ。さらにバンバーはポリス・ベンドでサイドミラーをバリアにぶつけるほどの激走でマルチェッロを追い、一騎討ちに持ち込んだ。

 バンバーはファイナルラップのメルコ・ヘアピンでマルチェッロをプッシュするほどの走りをみせたものの、最後までマルチェッロはトップを譲らず、予選からの首位を守り優勝を飾った。バンバーはチェッカー前にスローダウンし、ローレンス・ファントールが2位。3位はバンバーとなった。

 優勝したマルチェッロは渾身のガッツポーズで勝利を喜び、バンバーとは表彰台で握手をかわした。ファーフス、ハーゼ、エドアルド・モルタラ(メルセデスAMG GT3)らによる激しい4番手争いはファーフスが4位を守った。5位はハーゼ、6位はモルタラとなった。

ローヴェ・レーシングの2台のポルシェを先行したマルチェッロのメルセデス
ローレンス・ファントールのポルシェ911 GT3 R
アウグスト・ファーフスのBMW M6 GT3
ファーフスを先頭とした4番手争い
2019年のFIA GTワールドカップを制したラファエル・マルチェッロ

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