「国際連帯税」導入を 横浜市立大生、議員に訴え

与野党の国会議員に国際連帯税の導入を訴える横浜市立大の藤澤さん(右)と南さん=13日午後、参院議員会館

 20カ国・地域(G20)外相会合が名古屋市で22、23日に開かれるのを前に、横浜市立大の学生が地球規模の課題への対処に必要な資金を調達する「国際連帯税」の導入を与野党の国会議員に呼び掛けた。国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成には資金が不足しているとし、「政府開発援助(ODA)での支援は限界。革新的資金調達が必要だ」と訴えた。

 国際連帯税は貧困や感染症、温暖化といった地球規模の課題に対処する財源として、航空券や金融取引といった国境をまたぐ経済活動に対して課す税。フランスや韓国などで課税例がある。日本では河野太郎前外相(衆院15区)が前向きな姿勢を示していたが、負担増に対する業界の反発もあって導入されていない。

 日本でも機運を盛り上げようと、自民党や立憲民主党議員らによる超党派議連が13日に国会内で会合を開催。NPO法人などの支援を受け、9月に米ニューヨークで開かれた国連総会のサイドイベントに参加した横浜市立大の1年生2人も出席してマイクを握った。

 南亜伽音さん(18)はイベント参加を通じて資金の使途に関する国際的な議論の必要性を感じたといい、「今まで通りの支援ではSDGsの達成は難しい。持続可能な社会の構築に向けた議論が活発化すれば、新しい資金調達も現実味が出てくる」と提案。藤澤茉由さん(18)は「広く薄く」課税する国際連帯税の特徴を踏まえ「資金を提供するのは一般の人。国民の理解を増やすことも必要だ」と呼び掛けた。

 与野党議員は外務省に対し、G20外相会合で国際連帯税に関する議論を日本がリードするよう要望。会合後、2人は「世界から見れば日本の取り組みは遅れている。日本の政治家にもグローバルな視点を持ってほしい」と話した。

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