横浜港への客船寄港数、過去最高へ 初の200回台突破か

横浜発着クルーズに出港する「ダイヤモンド・プリンセス」=4日、新港ふ頭客船ターミナル

◆予約段階、東京五輪背景に

 横浜港の2020年の客船寄港数が予約段階で260回に達したことが17日、横浜市への取材で分かった。東京五輪・パラリンピックの開催や外国客船による横浜発着クルーズの増加を背景に、客船寄港数が200回台を初めて突破し、19年に見込んでいる約190回を上回り過去最高を更新する見通し。

 市は既存の横浜港大さん橋国際客船ターミナル(同市中区)のほかに、19年に2カ所の客船ターミナルを設けたほか、20年には新たに2カ所の物流岸壁を客船向けに整備。最大7隻が同時着岸できる態勢で日本でのクルーズ市場の拡大に応える。5月6日には国内初となる6隻の同時着岸が計画されている。

 18年実績で国内主要港では4位だった横浜(168回)が、首位の博多(279回)や2位の那覇(243回)と肩を並べる可能性が見えてきた。

 20年の初入港予定船は14隻で、最多記録を更新する見込み。横浜ベイブリッジをくぐれない超大型客船の寄港増が見込まれており、日本に来航する客船として過去最大となる「MSCベリッシマ」(17万1598トン)が4月18、19日、大黒ふ頭客船ターミナル(同市鶴見区)に初入港を予定している。

 市は、超大型船2隻を大黒ふ頭で常時受け入れるため、4月に岸壁延長を約760メートルに延ばす。物流施設の本牧ふ頭A突堤(同市中区)でも超大型客船を受け入れることにしており、市は将来的に新たな客船ターミナルを民設で整備する方向で検討を始めた。

 再開発を控えて現在はほとんど使われていない山下ふ頭(同区)の物流岸壁を客船向けに活用する。1月には乗客の待合施設を暫定的に開設し、利便性を高める。同ふ頭では東京五輪・パラリンピック期間中、客船をホテルとして停泊させる「ホテルシップ」も予定されている。

 横浜港では、19年春に大黒ふ頭客船ターミナルが整備され、秋には商業施設やホテルが一体となった新港ふ頭客船ターミナル(同区)が開業した。市は、20年のゴールデンウイークや東京五輪・パラリンピックの期間中などは本牧、山下ふ頭の物流岸壁でも積極的に客船を受け入れる方針。

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