60年目の革新
「イグジスト」といえば、誰もが知るダイワのスピニングリールのフラッグシップ。
マグシールドやザイオン、LTコンセプトなど様々な技術を世に送り出してきたダイワが「60年目の革新」としてリリースしたのが18イグジストです。
登場からもうすぐ2年が経とうとしている今、その真価を徹底的に解説します。
二つの大きな変化
LTコンセプト化
LTコンセプトの採用により、同番手でも従来のモデルよりもややコンパクトになりました。
スプール径に着目すると、従来の2500番は48ミリでしたが、LTモデルは45ミリにダウンサイジングされています。
スプールだけで見ると「わずか3ミリ」ですが、実際に手に取ると一回りコンパクトになっていることを感じられるでしょう。
金属ボディへの回帰
12、15イグジストはボディにザイオンが採用されてきました。しかし、今作のボディは05モデル以来のマグネシウム製。
モノコックボディとの相乗効果で剛性が向上しており、12、15モデルからは大きな変化を遂げています。
ハンズオンの印象
デザイン
手にして真っ先に目に入ってくるのが、斬新な「モノコックボディ」とシルバーを基調にしたモノトーンなデザイン。
かつてのハイエンドであるエアリティやTD-Z、歴代イグジストは挿し色のゴールドカラーが脈々と受け継がれてきました。
しかし、今作はその挿し色も一切用いられておらず、「全く新しいイグジスト」であることを強く感じさせます。
軽い
15イグジスト2508PEの自重が195グラムなのに対し、18イグジストLT2500-XHはなんと180グラム。
どのモデルも約15グラム程度の軽量化を達成しており、一世代のモデルチェンジとしては破格の軽量化といえるでしょう。
これはモノコックボディによるパーツ点数の削減や、新型のエアローターによる恩恵だと予想しています。
ハンドルまでも肉抜きが施されており、その姿はまるでアスリートと言ったところでしょうか。
巻き心地
誤解を恐れずに表現するのであれば、「ダイワらしくない巻き心地」だと思います。
今までのダイワのイメージは、トルク感の少ない巻き心地で、とりわけサラサラとしたドライなイメージがありました。
しかし、18イグジストはヌメヌメとしたウエットな巻き心地に変化しています。
モノコックボディの強靭さとマシンカットデジギアの精度もあるのでしょうが、「味付けを変えてきたな」という印象を持ちました。
巻き心地がよくなったと言うよりかは、巻きの質が変わったと言う方が的確だと思います。
ドラグ
ダイワの汎用リールの中で、スプールを支えるドラグユニットにベアリングが採用されているのはイグジストが唯一です。
すなわち、ダイワ製スピニングリールの中で一番のドラグ性能が、箱を開けた瞬間に手に入ります。
ドラグの動作に関しては前作と大きな差を感じませんでしたが、ドラグノブが大径化されており、実釣時の操作性は18モデルが圧倒的に優れます。
ラインローラー
イグジストのラインローラーは、ハイエンドモデルらしくマグシールドラインローラー仕様です。
特筆すべきは、小型番手に用意されているフィネスカスタムモデル。こちらは、あえてマグシールドラインローラーが廃されています。
マグシールドラインローラーは、極細ラインを使用した際に滑り出しがネックになると度々指摘されていたので、コアなライトゲームファンには待望のモデルだと言えるでしょう。
もちろん、超低負荷での回転性能が求められない大型番手は、耐久性に優れるマグシールドラインローラーにアドバンテージがあるのは言うまでもありません。
ここが気になる
巻き感をどう捉えるか
「巻き心地」の項でも言及しましたが、良くも悪くも“今までのダイワらしくない巻き心地”と言えると思います。
そのため、05イグジストのようなドライなフィーリングを好む方は、違和感を感じると思います。
「シルキーになった」と感じるか、「らしさがなくなった」と感じるかで、評価が別れるところでしょう。
孤高の頂点
弱点にも言及しましたが、18イグジストの進化は圧倒的で、その存在感は唯一無二です。
パッケージングを見ても、ダイワ製汎用スピニングリールで唯一のマグネシウムボディを採用するなど、イグジストだけのスペックが奢られます。
ダイワテクノロジーの粋を感じたいという方は、ぜひ手に取られてはいかがでしょうか。