大学セミナーハウス、止まらぬ利用者減

東洋大、ピーク時の半数程度 飲酒禁止も影響か

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相澤一朗

TOYO Press Chief Editor

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 大学セミナーハウスの利用者減が止まらない。

 学生や教職員の研修向けに安価な宿泊料で利用できる東洋大学のすべてのセミナーハウスで、利用者数が近年減少傾向にあることが、管轄する学生部への取材でわかった。

利用者数、7年で44%減

東洋大学が運営しているセミナーハウス。左から富士見高原、鴨川、河口湖(学生部提供)。

 学生部の統計資料は、月ごとに集計した利用者数を年度ごとに総計したもの。開設から3年間はいずれも利用者数が伸び続けた。しかし4年目以降で一旦減り、その後変動しながら減少傾向が続く。2018年の年間利用者数の総計は、ピーク時(2011年)から44ポイント減り、56%ほどにとどまる。

セミナーハウスの利用者数合計(学生部資料より作成、グラフィック:minomushi)。

利用者の多くは学内団体

 東洋大のセミナーハウスは鴨川(千葉県鴨川市)、富士見高原(長野県富士見町)、河口湖(山梨県富士河口湖町)の3カ所にある。それまであったセミナーハウスの老朽化に伴う代替施設として、2004年に鴨川と富士見高原を、2010年には河口湖をそれぞれ新設した。学内団体の合宿で利用することを想定しており、学生部によると利用者の多くはゼミや体育会運動部、文化系サークルだという。

 資料からは、各施設ごとの利用者数にも違いがあることもわかった。収容定員の多い鴨川(90名)と河口湖(116名)は減り幅が大きいのに対し、富士見高原(70名)は開設当初から低い水準での推移が続いている。いずれも近年は減少傾向にあることがわかる。

飲酒禁止が影響か

各セミナーハウスごとの利用者数推移(学生部資料より作成、グラフィック:minomushi)。

 近年の減少で一番大きな要因となったと考えられるのが、飲酒の禁止だ。東洋大のセミナーハウスでは2016年、飲酒に関係する問題が複数あった。2017年から、全施設での飲酒を禁止に。「禁酒のルールができた後の利用者アンケートでは飲酒許可を望む声はそれほど多くない」と学生部は説明する。トラブル防止の観点から禁酒徹底を望む声もある一方で、学生全体の需要はわからないという。

河口湖で新たな取り組み

 どうにか利用者数を増やそうと、新たな制度も生まれている。2019年4月からは河口湖の施設を利用した国内留学プログラム「Toyo Achieve English Camp」が開講した。各キャンパスで実施しているキャンパス内留学「Toyo Achieve English」と同様、国内に居ながら留学をリーズナブルに体験できるという。

 学生部の担当者は「学生や教職員のための施設だ が、このまま利用者数が減るのは残念だ。(利用者を)取り戻したい」と話した。