Rソックス・ベッツの去就を左右する「お金」以外の理由とは

レッドソックスとの契約延長に消極的であり、今オフ中にトレードで放出される可能性が取り沙汰されているムーキー・ベッツだが、ベッツがレッドソックスとの契約延長を拒むのは「フリーエージェント市場で自身の価値を試したから」という「お金」だけが理由ではないようだ。WEEIラジオのロブ・ブラッドフォードは、レッドソックスのマイナー組織に将来有望な若手選手が枯渇していることが、ベッツの決断に影響を与えていると指摘する。

一般的に、メジャーリーガーというものは、ワールドシリーズ制覇を最大の目標として毎年のシーズンに臨んでいる。もちろん、それはベッツも例外ではなく、「今後10年間、レッドソックスが安定して優勝を狙えるチームであるか」ということを考えた際に、レッドソックスが厳しい状況に立たされているのは事実。それが、ベッツがレッドソックスとの契約延長を拒む理由の1つとなっている可能性があるのだ。

若手有望株の情報を扱う「MLB Pipeline」が公開しているプロスペクト・ランキングのトップ100にランクインしているレッドソックスの選手は、一塁と三塁を守る内野手のトリストン・カサスただ1人。しかし、そのカサスも順位は全体85位に過ぎず、メジャー昇格までは少なくとも2年以上は掛かると見られている。要するに、現在のレッドソックスは球団内部の有望株のメジャー昇格による戦力アップを、ほとんど期待できない状況なのである。

レッドソックスがメジャー有数の資金力を誇る球団であるとはいえ、スーパースターのベッツが残留するとなると、ベッツの年俸はレッドソックスが補強に使える資金に大きな制約を与えることになる。つまり、ベッツがレッドソックスに残留することにより、球団の内部からも外部からも十分な戦力補強ができないという状況が生まれてしまう可能性があるというわけだ。

レッドソックスのマイナー組織に若手有望株が充実していれば、契約延長に対するベッツの態度も違っていたのかもしれない。やはり、レッドソックスにとっては、ベッツを放出して若手有望株を獲得するのが、チーム状況に合ったベストの選択肢なのだろう。

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