フィリーズの補強ターゲットはドナルドソンよりムスターカスか

マイケル・フランコがまたしても期待を裏切るシーズンを過ごし、「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングで全体34位にランクインする有望株のアレック・ボームがまだマイナーで実戦経験を積んでいる段階のフィリーズは、三塁が今オフの補強ポイントの1つとなっている。今オフの三塁手市場は人材が充実したエリアの1つとなっているが、フィリーズは誰をターゲットとするのだろうか。

三塁手の補強が必要なチームにとっては幸運なことに、今オフの三塁手市場にはアンソニー・レンドン、ジョシュ・ドナルドソン、マイク・ムスターカスと優秀な人材が溢れている。NBCスポーツ・フィラデルフィアのジム・サリスバリーによると、フィリーズはムスターカスに強い関心を示しており、MLB公式サイトのマーク・フェインサンドは、フィリーズがドナルドソンの動向をチェックしていることを伝えている。

ドナルドソンとムスターカス、いずれを獲得してもフィリーズにとっては大きな戦力アップとなるが、フィリーズはムスターカスをメインターゲットとする可能性が高いと見られている。ドナルドソンとムスターカスを比較した場合、ドナルドソンを獲得するためには「より長期」で「より高額」な契約が必要となる。さらに、ドナルドソンはブレーブスからクオリファイング・オファーを受けていたため、獲得の際にはドラフト指名権の喪失が発生してしまう。

フィリーズには次世代の正三塁手としてボームが控えているため、今オフ獲得する三塁手がボームのメジャー昇格をブロックしてしまうような状況は避けたいところ。その点で、ドナルドソンよりも短い契約で獲得できると見られるムスターカスは理想的な存在といえる。

また、今オフのフィリーズは、三塁手と同時に先発投手の補強も必要としており、ゲリット・コール、スティーブン・ストラスバーグ、ザック・ウィーラー、マディソン・バムガーナーといった大物投手の獲得に動く可能性が高い。よって、資金面を考えると、ドナルドソンよりも安価な契約で獲得できるムスターカスはチーム事情にも合っている。また、これらの投手はクオリファイング・オファー対象者であるため、フィリーズとしてはクオリファイング・オファー対象者を複数獲得して複数のドラフト指名権を喪失するのも避けたいところだろう。

大型補強を施しながら期待外れのシーズンを過ごしたフィリーズ。今オフも有力選手の獲得が見込まれるが、来季こそはポストシーズン進出を達成することができるのだろうか。

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