質の高い開発を追求し、戦略的チャンスをつかむ上で先を行く中山

質の高い開発を追求し、戦略的チャンスをつかむ上で先を行く中山

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【中山(中国)2019年11月15日新華社=共同通信JBN】中国では社会のすべての部門が2019年11月12日、さまざまな形で孫逸仙(孫文)の生誕153周年を祝賀した。中国民主革命の先駆者である偉大な国民的英雄の記念式典が、中国南部・広東省の都市であり孫逸仙の故郷、中山にある孫逸仙旧邸の博物館で開催された。中国共産党中山市委員会宣伝部(The Publicity Department of the CPC Zhongshan Municipal Committee)によると、約200人の要人がこのイベントに参加した。

中山市の東には伶仃洋があり、初冬の水温はまだ温かい。深セン-中山橋の建設現場では、エンジニアが忙しく作業し、機械がブンブン音を立てている。

広東-香港-マカオ大湾岸圏はその開発でより協調的になっており、港珠澳大橋と深セン-中山橋の建設が南シナ海の沿海地域と珠江両岸を密接化するに伴い、深センによる中国の特徴を備えた社会主義の試験的実証地域の建設へのサポートがより具体的になってきた。中山はこの背景の下で、長期的発展のためにこの2つのエリアを構築する歴史的、戦略的な機会をつかみつつ主導権を握るという伝統を受け継いできた。中山市は珠江両岸の統合開発を、この沿岸経済ベルトのハブとして、また大湾岸圏の重要な力として支えることを目指している。

改革・開放の先駆けと大湾岸圏統合

改革・開放の初期に、勇敢な中山の人々は中国を対外協力と農村制度改革に導き、中山市を経済開発の先頭を切る「Four Guangdong Tigers(4頭の広東虎)」の1つとした。中山は広東省の人口の3%、土地はわずか1%にすぎないが、長年にわたり広東省の主要な経済圏の1つだった。

現在、中山には、機器製造、電子情報、家電というそれぞれ1000億元に相当する3つの産業クラスターがある。さらに、照明(Guzhen)およびハードウエア(Xiaolan)からマホガニー家具(Dachong)およびゲーム・レクリエーション用機器(Gangkou)に至る産業に特化した18の町、38の国家レベルの産業基地、および516の省レベル以上のブランドを擁している。これらすべてにより、大湾岸圏で最も改善された産業チェーンを持つ都市の1つとなっている。

この2つのエリアの建設は力強く進展しているが、中山は近隣都市とつながることで、優れたリソースを受け入れ、利用している。

居住や新規事業のため香港やマカオから中山にやって来る人々が次第に増えている。e-ParkでZhihong Media Companyを経営する1990年代以降の起業家の1人、リー・チーホン氏は「中山にあるe-ParkのGuangdong-Hong Kong-Macao Youth Innovation and Entrepreneurship Incubation Area(広東-香港-マカオ青年イノベーション・起業家精神インキュベーション地域)では20を超える香港やマカオの青年プロジェクトが立ち上げられ、若い起業家のホットスポットになってきた。そして中山には香港やマカオの住民に素晴らしいサービスを提供する指定オフィスがある」と語った。

中山市はまた、1500億元を投じ、鉄道、ハイウエー・高速道路、港湾・桟橋で構成される多次元輸送システムの開発を計画している。これは中山市を大湾岸圏西部の重要な輸送ハブとして建設することをサポートし、中山から珠江デルタの主要都市を30分、香港とマカオを1時間で結ぶようになる。人々、商品、情報の自由な流れが間もなく実現することを予測することができる。

中山には、新進気鋭の近代的沿岸都市であるMa'an Islandが登場している。これは近代的で革新的な国際都市センターに建設される。ここは深セン-中山橋の起点であり、5つの空港、4つの深海港、3つの自由貿易地域に囲まれている。質の高い生活環境、教育、ヘルスケアにより、ここはより魅力的となってきた。

Ma'an Islandの北には、今年9月に開校したSun Yat-sen Memorial Primary School(孫逸仙記念小学校)がある。加えて、Zhongshan University of Science and Technology(中山科学技術大学)は完成後、珠江西岸の産業開発のための人材を育成する鍵となる。

新ラウンドのイノベーション主導開発のための質の高い成長

グローバルな革新的コミュニティーに参加し、イノベーション能力を強化するため、中山は人材とハイテク企業を引き付けるため以下の一連の措置を実施した。

*米カリフォルニア大学バークレー校のアクセラレータプログラムであるSkyDeckと協力し、中山でGlobal Founders Programを立ち上げる。これは世界中の主要なイノベーションリソースとコネクトする一方で、スタートアップが国際的アクセラレータにアクセスできるようにする

*HRG Institute (Zhongshan) of unmanned equipment and Artificial Intelligence、Zhongshan Institute of Materia Medica Innovation, Chinese Academy of Sciences、および University of Chinese Academy of Sciences (Zhongshan) Innovation Centerを共同設立する

Zhongshan Photon Science Centerなど諸施設の計画

中山では主要機関との緊密な協力により、科学技術のイノベーションと高品質開発がさらに進んできた。中山市には世界中からのハイエンドリソースが流入し、イノベーションと起業家精神のための改善された環境がある。創造への強い推進力により活発な開発が続いていることは明らかだ。

中山は現在、2300社以上のハイテク企業の本拠地であり、都市の科学技術イノベーションと開発の指標で多くの県級市の先頭にある。

中山は科学技術イノベーションを強化する一方で、科学技術イノベーションのための国際センターと、高品質の経済成長を達成するためイノベーション成果を商業化するための基盤を構築している。

中国科学院と国連人間居住計画(ハビタット)が2019年11月13日、共同でリリースした世界の都市競争力報告2019-2020年版では中山は、経済競争力、持続可能な開発競争力、都市格付けなどの基準で、中国で21位、世界では149位にランク付けされている。

中国を豊かな成長に導くことから質の高い開発の追求へとその任務を移行させている中山は、チャンスをつかみ、進取的精神を維持することによる継続的な努力でイノベーション主導型開発の新しい状況を創出している。

ソース:The Publicity Department of the CPC Zhongshan Municipal Committee