今年夏から動向が注目されていた(株)エル・エム・エス(TSR企業コード:292272499、文京区、以下エル社)の周辺が慌ただしくなってきた。
1985年設立で、理化学機器や医療機器の販売では老舗業者として2015年9月期は売上高122億3926万円をあげていた。だが、最近は大学などのエンドユーザー向け売上が落ち込む一方、規模縮小が遅れてキャッシュアウトに歯止めがかからず、多忙な資金繰りが続いていた。このため2019年秋、金融機関に支援を要請するバンクミーティングを開催、再建を模索していたが、ここにきて重大な局面に至ったとの見方が強まっている。
11月18日、エル社の本社は取引先が次々と訪問し、緊迫した雰囲気に包まれ、エル社の従業員は訪れる取引先の関係者に、「ご迷惑をおかけしております」と事態を詫びていた。ただ、商品の引き上げを巡り押し問答や、担当者との面会を強く求める場面もみられた。
東京商工リサーチの取材に従業員のひとりは、「責任ある立場の者が不在で何も言えない。ただ、近いうちにしっかり説明する」と語るにとどめた。
複数の関係者によると、エル社幹部は主要取引先に今後の展開を説明しているとみられる。だが、その他の取引先へは具体的な説明はなく、様々な情報に振り回されている。
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