安倍首相の首相在職日数が憲政史上最長タイに|第1次安倍内閣からこれまでを振り返る

今日11月19日で安倍晋三首相の首相在職期間が通算2886日となり、憲政史上最長の桂太郎(首相在職:1901~06、08~11、12~13年)と並びました。明日、首相在職期間が2887日となり憲政史上単独最長となります。今回は安倍首相が首相に就任してからこれまでを振り返ってみます。

2006~07年:首相就任と辞任、第1次安倍内閣

安倍首相が最初に首相に就任したのは2006年9月26日でした。このとき発足した第1次安倍内閣の閣僚を振り返ってみると、総務大臣に菅義偉氏(現・官房長官)、外務大臣に麻生太郎氏(現・副総理、財務大臣)、経済産業大臣に甘利明氏(現・自民党税制調査会長)、といった顔ぶれで、現在の政権・与党幹部の屋台骨となる面々が並んでいました。

2001年から2006年まで首相を務めた小泉純一郎氏の後任として安倍首相は就任しましたが、初の戦後生まれ・戦後最年少での就任でした。
「美しい国づくり内閣」を掲げた安倍首相でしたが、2007年に農水相の松岡利勝氏が自殺し、後任の赤城徳彦氏も2か月で大臣を辞任。防衛大臣の久間章生氏も自身の失言が原因で辞任、内閣特命大臣の佐田玄一郎氏も政治資金問題が原因で辞任するなど閣僚の辞任が続きました。

2007年7月の参院選では与党の自民党が改選64議席から37議席に、公明党が改選12議席から9議席に大きく議席を減らし、歴史的大敗を喫しました。この敗北で自民党は結党以来初めて参院第1党を他の政党に奪われることとなりました。

参院選での敗北後も安倍首相は続投の意思を示していましたが、2007年9月初めに自身の体調不良を理由として辞任の意向を表明し、9月25日に安倍内閣は総辞職しました。

2012~19年:首相への再就任と憲政史上最長在職へ

2009年の衆院選でも敗れ野党へと転落した自民党でしたが、2012年12月の衆院選で政権与党の座を取り戻します。同年9月に行われていた自民党総裁選で谷垣禎一氏の後任の自民党総裁に当選していたのが安倍氏でした。
再任した安倍首相ですが、首相経験者が再び首相に就くのは1948年の吉田茂首相以来のことでした。
2013年の参院選で自民党は改選34議席から65議席、公明党は改選10議席から11議席に伸ばしました。自民党が参院第1党を取り戻して衆議院と参議院とで多数派が異なるねじれ国会もこのとき解消されることになりました。

最長在職となる安倍首相、今後は…?

明日、首相在職日数で憲政史上最長となる安倍首相ですが、気になるのは「ポスト安倍」と次の衆院選のタイミングです。「ポスト安倍」には自民党政調会長の岸田文雄氏、官房長官の菅義偉氏、自民党総務会長の加藤勝信氏、元自民党幹事長の石破茂氏といった名前が挙がりますが今年11月の内閣改造で「ポスト安倍」争いは始まったばかりといえるのかもしれません。衆院選の解散は年内、年明け冒頭、オリンピック後などの時期が取りざたされています。
今後安倍首相は首相在職日数の最長記録をどこまで伸ばしていくのでしょうか。そしてその記録が終わるとき―安倍首相の後を担うのは誰になるのでしょうか?今後の政治情勢・政局に引き続き注目です。

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