都産技研、東京ビッグサイトによるロボット実稼働実験開始

2019年11月19日
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
株式会社東京ビッグサイト

都産技研、東京ビッグサイトによる
ロボット実稼働実験開始

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)と株式会社東京ビッグサイト(東京ビッグサイト)は、2019年11月から「運搬ロボット」、「清掃ロボット」、「案内ロボット」、「警備ロボット」の4種類のサービスロボットを東京ビッグサイトの施設内で実運用する社会実装トライアル実証実験を開始します。
東京ビッグサイトの施設内で実際に行われている作業を、各種ロボットが作業者をサポートしながら長期間実稼働することで、ロボットの導入効果を検証する取り組みとなっています。

◆背景◆

都産技研と東京ビッグサイトは、これまで都産技研と中小企業が共同開発した「運搬」「清掃」「案内」「警備」業務を行う四つのロボットを活用して、3か月以上の長期にわたり実業務に利用する「サービスロボットの社会実装システムの構築および運用トライアル」として共同研究を開始しました。この共同研究を行うことにより、ロボット導入による効果を検証し導入における具体的な課題の抽出、対策案の検討を行うことで、ロボットの実用化の促進を図ります。

◆実験概要◆

実証実験は、東京ビッグサイトの西棟および南棟にて実施されます。
今回利用される4種類のロボットの動作は、実際に東京ビッグサイトの中で作業をしている方からのヒアリングに基づき、作業の効率化と作業されるスタッフ視点からのロボット利用のしやすさを考慮しながら決定しています。
今後の実証実験において、実業務にロボット(システム)を取り入れる場合のメリット・デメリットを見極めながら、実験を行う予定です。

◆使用するロボットとその実運用例、利用システム◆

実証実験では、都産技研や中小企業が共同研究により開発した「運搬ロボット」、「清掃ロボット」、「案内ロボット」、「警備ロボット」を採用しています。

①運搬ロボット

追従運搬ロボット「サウザー」
開発:株式会社Doog
人を認識し、そのあとを追従して運搬する追従運搬ロボット。
現在は、東京ビッグサイトで発生した廃棄物などを、スタッフが台車で長距離運搬しています。この作業に追従型運搬ロボットを使うことで、運搬作業の負担軽減を目指します。

②清掃ロボット

清掃ロボット「Debris(デブリ)」
筐体開発:都産技研
ロボットソフトウェア開発:株式会社セック
都産技研独自開発の「T型ロボットベース」を足回りとした自律走行型のドライ清掃ロボット。
2019年にオープンした南棟への連絡通路は、約170メートルあり、現在は、スタッフが手作業でその通路を清掃しています。本通路の清掃作業に清掃ロボットを使うことで、清掃作業の負担軽減を目指します。なお、本通路は直線距離が長いため、清掃領域を四つにブロック分けして、ブロックごとに清掃を行います。

③案内ロボット

案内ロボット「Siriusbot(シリウスボット)」
開発:08ワークス株式会社、日本ユニシス株式会社、株式会社パルコ、都産技研
筐体デザイン:南デザイン株式会社
都産技研開発ロボットLibraをベースに商業施設向け案内・店舗棚卸ロボットとして開発。
エントランスホールにて、施設の案内や周辺観光の紹介などを行います。4言語(日、英、中、韓)での対応(言語切り替えはマニュアル)が可能であることに加え、ディスプレイと連動して案内を行います。主に、頻繁に問い合わせのある質問などをロボットが対応し、施設案内業務の負担軽減を目指します。

④警備ロボット

警備ロボット「Peruseusbot(ペルセウスボット)」
開発:日本ユニシス株式会社、西武鉄道株式会社、アースアイズ株式会社、都産技研
筐体デザイン:南デザイン株式会社
2018年西武新宿駅にて実証実験を行った警備ロボット。不審物の検知と警備スタッフへの通報を行う。
エントランスホールにて、日中は「立哨警備」を行い、夜間は「巡回警備」を行います。また、警備中は音声で、警備中であることをアナウンスすることで、防犯効果を高めます。
警備スタッフと共同で警備業務を行い、警備業務の負担軽減を目指します。

⑤ロボット連携管理システム

ロボット連携管理システム:TIS株式会社製 「RoboticBase(ロボティック・ベース)」を活用
導入・開発・運用:TIS 株式会社 サービス事業統括本部 AI&ロボティクスビジネスユニット
実証実験の取り組みの中では、開発企業の違う複数のロボットを同時に運用するため、専用の管理システムを構築しています。ロボットを導入する企業が、既存のシステムと連動しやすいようなシステムを取り入れることで、より一層使いやすい環境づくりを構築することも今回の共同研究のポイントとなっています。

◆実施スケジュール◆