2018/2019年シーズンのWEC世界耐久選手権第8戦ル・マン24時間レースに、自ら起こしたキーティング・モータースポーツで参戦したベン・キーティングは、フォードGTを用いた追加のプログラムについて、現時点では計画をしていないと語った。
キーティングらがドライブした85号車フォードGTは、フランスの耐久クラシックにおいてLM-GTE Amクラスのトップチェッカーを受けたものの、燃料に関わるふたつのレギュレーション違反によって勝利を失うことになった。
その後、彼はフォードGTを生んだマルチマチック・モータースポーツを中心としたプログラムに加わり2020年シーズンのELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参加することを検討。しかし、最終的にはWECのGTE Amクラスを戦うチーム・プロジェクト1とジョイントする形で、同チームの57号車ポルシェ911 RSRをドライブすることを選択している。
そんなキーティングは、所有するフォードGTレーサーが今後、数カ月以内にいくつかのトラックタイムを見ることになるだろうと述べた。
「6カ月以内にどこかのサーキットに持ち出す予定だよ。その主な理由は、このクルマは走らせるのが非常に複雑なためだ」とキーティング。
「僕は今から20年後に自分で動かせるようになっていたい。そして、その時に必要なものがすべて揃っているかどうかを知っておきたいんだ」
「GTEカーのフォードGTとダッジ・バイパーGTS.R、FIA-GT3カーのバイパーGT3.RとメルセデスAMG GT3、これらすべてのクルマを持ち出して走らせる。必要なときにすぐに走らせることができるように、走行に必要なものがすべて揃っているかどうかを確認するんだ」
「もちろん、ある時点でふたたびフォードとタッグを組んでレースをすることを決めた場合には、もっと多くのものが必要になるだろう。だが、今のところそのような計画はないね」
フォードGTは、合計4台がカスタマーに販売されたと理解されているが、他3台の所有者の身元はブルーオーバル(=フォード)によって明かされていない。
しかし、正確な情報ではないものの、その内のひとりはテキサスを拠点とするビジネスマンで、AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズのいくつかのラウンドでフォードGTを走らせるプランを立てているという。また、もうひとりは2020年のELMSに向けてプログラムの評価を行っていると理解されている。
なお、2019年シーズンまでWECと並行してIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTル・マン(GTLM)クラスに参戦していたフォード・チップ・ガナッシ・レーシング、2020年のデイトナ24時間とセブリング12時間に出場するか否かのステータスは現時点で未定のままだ。