2020年殿堂入り投票 ジーターは史上2人目の満票選出なるか

2020年のアメリカ野球殿堂入り投票に、いよいよデレク・ジーターが登場する。ヤンキース一筋20年、正遊撃手として通算3465安打を放ったのみならず、チームリーダーとして5度のワールドシリーズ制覇を経験したフランチャイズ・プレイヤーにして球界を代表するスーパースター。今年のマリアーノ・リベラに次ぐ、史上2人目となる満票での選出の可能性も取り沙汰されている。

2年前、ジーターは「1つの球団でキャリア全体を過ごすことができるのは、最も特別なことだと思う。(移籍が当たり前となった)今の時代では、これはそれほど頻繁に起こることではないからね。僕は自分がプレイしたかった唯一の場所で、それを実現することができた。本当に感謝しているよ」と語り、ヤンキースの正遊撃手としてキャリア全体を過ごせたことを感謝していた。

オールスター・ゲーム選出14度、ゴールドグラブ賞5度、ワールドシリーズ制覇5度、歴代6位の通算3465安打など、輝かしい実績を誇るジーターについて、ジョー・トーレは「私が監督を務めてきたなかでベストの選手は誰かと聞かれたら、デレクの名前を挙げるよ。簡単なチョイスさ」と語っている。打率.310、544二塁打、260本塁打、358盗塁という通算成績のみならず、158試合で200安打、打率.308というポストシーズンでの勝負強さも特筆に値する。

「大きな一打が必要な場面、特にポストシーズンのそういう場面で最も頼りになる男はデレクなんだ」と語るのは、ヤンキース時代のチームメイトであるアンディ・ペティット。「何度も何度も、彼は大きな一打を放ってきた。僕が見てきたなかでは、彼は最も勝負強い打者だよ」とジーターの大舞台での勝負強さを絶賛する。2000年のワールドシリーズ第4戦での先頭打者アーチ、2001年のポストシーズンのアスレチックス戦で見せた「ザ・フリップ」、通算3000安打を飾ったホームラン。ジーターが勝負強さを発揮したシーンは枚挙にいとまがない。2000年にオールスター・ゲームとワールドシリーズのMVPを受賞したのは、その象徴と言えるだろう。

積み上げてきた通算成績は一般的な殿堂入りの基準をクリアしており、ポストシーズンでの実績など、印象度の面でも文句なし。リベラは「もし僕が決めることができるなら、彼の得票率は100%どころじゃない。1000%だよ!」と満票での殿堂入りを後押しするが、果たしてどのような結果になるのだろうか。

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