2020年殿堂入り投票 ウォーカーはラストチャンスで選出なるか

ラリー・ウォーカー(元ロッキーズなど)は、今回が殿堂入りの10度目のチャレンジであり、記者投票での殿堂入りはラストチャンスとなる。2018年の34.1%から今年は54.6%まで得票率を上昇させたが、ラストチャンスで念願の殿堂入りを果たすことはできるのだろうか。

ウォーカーは、有資格初年度の2011年に得票率20.3%を記録したあと、25%の壁を越えることすらなく、4年目の2014年には10.2%まで得票率を落としたが、2017年に21.9%、2018年に34.1%、そして今年は54.6%と徐々に得票率を上げてきた。2018年から今年にかけての「得票率20.5%アップ」は歴代9位の数字だったが、これをもう一度実現すれば、殿堂入りラインの75%に手が届くことになる。

全盛期を「打者天国」と呼ばれるクアーズ・フィールドを本拠地とするロッキーズで過ごしたことにより、過小評価される傾向のあるウォーカーだが、Baseball Referenceが算出している通算WARでは72.7を記録しており、これはティム・レインズ(69.4)、トニー・グウィン(69.2)、アンドレ・ドーソン(64.8)、デーブ・ウィンフィールド(64.2)、ブラディミール・ゲレーロ(59.4)といった殿堂入り外野手を上回っている。また、通算300本塁打以上、200盗塁以上、OPS.950以上をマークしているのは、メジャーリーグの歴史上、バリー・ボンズとウォーカーの2人だけである。

さらに、ウォーカーは通算打率.313、出塁率.400、長打率.565をマークしているが、この三部門すべてでウォーカーを上回る数字を残しているのは、ベーブ・ルース、ジミー・フォックス、テッド・ウィリアムス、ルー・ゲーリッグ、ハンク・グリーンバーグ、ロジャース・ホーンスビーの6人だけであり、いずれもアメリカ野球殿堂入りを果たしている。

ウォーカーは殿堂入りに関して「もし私が間違いを犯しているとすれば、クアーズ・フィールドでプレイしたことだと思う」と語っているが、敵地での通算OPS.865はウィリー・スタージェル、ケン・グリフィーJr.、レジー・ジャクソン、オーランド・セペダ、グウィン、アル・ケーライン、ジョージ・ブレット、ロベルト・クレメンテといった殿堂入り選手と同等かそれ以上である。よって、クアーズ・フィールドでプレイしていなくとも、ウォーカーは殿堂入りに値するような成績を残すことができた可能性があるのだ。

ラストチャンスで殿堂入りを果たしたのは過去6人だけ。ウォーカーは、レッド・ラフィング、ジョー・メドウィック、ラルフ・カイナー、ジム・ライス、レインズ、エドガー・マルティネスに次ぐ7人目となることができるだろうか。

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