大学の受験学部数が増加…新入生の保護者調査

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入学までにかかった費用・国公立(専攻別/住まい別)

全国大学生活協同組合連合会は2019年11月18日、「新入生の保護者に聞く新入生調査」の結果を公開した。入試制度の変更を意識し、一般受験の受験学部数が増加したほか、下宿生は電話機購入の影響で生活用品購入額が増えている。

調査は、新入生が入学までにかかる費用や具体的なスケジュール、住まい探しや商品購入の際の意識などを調査し、新学期事業の総括および次年度提案の基礎データとすることを目的に実施している。毎年4月~5月に新入生の保護者を対象に行い、2019年は123大学生協が郵送または手渡しで調査し、2万1,531人が回答。

受験から入学までにかかった費用は、自宅生で国公立大学は128万2,400円、私立大学は150万8,200円。専攻別でみると、国公立文科系127万9,500円、国公立理工系125万9,800円、国公立医歯薬系136万4,900円。私立文科系140万1,800円、私立理工系 171万9,200円、私立医歯薬系199万4,500円となっている。

下宿生は、国公立大学で199万6,300円、私立大学は222万1,800円。専攻別でみると、国公立文科系199万600円、国公立理工系197万3,300円、国公立医歯薬系211万1,100円。私立文科系は212万600円、私立理工系244万3,400円、私立医歯薬系288万4,500円となっている。

費目別では、「出願するためにかかった費用」の多くを占める「受験料」の増加の影響が大きい。国公立の受験料は12万1,900円で前年から5,600円増加。私立大学は16万9,500円で800円増加している。国公立、私立大学ともに2008年からもっとも高い金額となっている。また、受験料の金額が大きい一般受験生のうち5学部以上受験した人は全体の33.3%。さらに10学部以上は5.2%おり、2008年と比較すると3.5ポイント増加した。

下宿生の入学までにかかった費用の中で「生活用品購入費用」が30万4,400円で3年ぶりに増加したが、3年前と比較すると1万6,000円減少している。生活用品の中で「家電用品」は10万4,700円で3年連続減少。しかし、「電話機」は前年から9,000円増加して6万5,200円となり、10年間で平均額は2倍になった。

費用準備で予定と違って困ったことでは、「受験料が増えた」が全体では前年から1.8ポイント増え19.6%、一般受験では25.3%と、2014年から始めた設問以来もっとも高い結果となった。2020年度から変更される大学入試制度を意識し、現役志向が高まり、受験学部数や受験費用の増加に表れたとみている。さらに、一般受験生は受験のための「交通費」が2万9,600円で2008年からもっとも高い金額となった。

受験から入学までの費用について準備・工夫したことで「学資保険に入っていた」(48.3%)がもっとも多くなっているが、2014年以降減少傾向が続いている。「貯蓄を切り崩した」(35.7%)、「奨学金を申請」(32.9%)と続く。「奨学金を申請」は「学資保険」とともに緩やかに減少傾向で、「貯蓄を切り崩した」は増加傾向が続いている。

子どもを大学に進学させた理由は「本人の希望が強かったから」(83.5%)がもっとも多く、ついで「色々な経験をさせたいから」(47.9%)、「就職や資格取得のために大学卒の学歴が必要だから」(40.8%)、「専門的な知識を身につけさせたいから」(34.6%)、「人間関係を広げさせたいから」(32.6%)が続いた。

大学に対する期待では、「就職のための支援強化」は調査開始した2013年の 63.0%から12.1ポイント減少。特に文科系は 14.3ポイントと大きく減少した。子どもが大学生活を送る上での不安については、「就職や将来のこと」(33.8%)をあげる保護者は、2013年と比較して7.7ポイント減(文科系 9.1ポイント減、理工系 7.3ポイント減)と、好調な就職状況を背景に「就職」に関わる保護者の不安も縮小傾向が見られる。

調査結果は、全国大学生活協同組合連合会のWebサイトから見ることができる。

田中志実