名門モリワキ“苦渋の選択”。2019年限りで鈴鹿8耐及び全日本ロードJSB1000参戦休止を発表

 モリワキエンジニアリングは11月19日、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスと鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦を2019年をもって休止すると発表した。

 2016年、8年ぶりに全日本の最高峰JSB1000クラスに復帰して話題となったモリワキ。マシンはホンダCBR1000RRモリワキ改、ライダーは高橋裕紀を起用して戦った。翌年の2017年には高橋裕紀に加え、鈴鹿8耐で4度優勝し、スーパーバイク世界選手権に参戦した経験も持つ清成龍一が加入し、2台体制で参戦。同時に、モリワキとして9年ぶりに鈴鹿8耐へ参戦することも発表された。

清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)
2019年は第2戦と最終戦にスポット参戦した高橋裕紀(KYB MORIWAKI RACING)

 モリワキは、JSB1000では4年間でポールポジション1回、表彰台3回、優勝1回を獲得。鈴鹿8耐では復帰初年度の2017年は27位、2018年は8位、2019年は決勝9位で終えている。

 そんなモリワキが、全日本JSB1000と鈴鹿8耐の参戦休止をSNSで発表。参戦休止については「苦渋の選択となりましたが、将来のレース活動への取り組みを中長期的に再編するという意味合いを持つポジティブな選択だと考えております」としている。

 発表されたモリワキレーシングの鈴鹿8耐及び全日本JSB1000クラス参戦休止に関する全文は以下のとおり。

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モリワキレーシングはこの度、2019年をもって鈴鹿8時間ロードレース及び全日本JSB1000クラスへの参戦休止を決定いたしました。

今回の決断は苦渋の選択となりましたが、将来のレース活動への取り組みを中長期的に再編するという意味合いを持つポジティブな選択だと考えております。

これまで、ベース車に独自の改良を施した車両でJSB1000クラス参戦してまいりましたが、長きにわたりコンストラクターとしてこだわってきたモリワキスタイルの“ものづくり”の観点から、現状のプレミアムクラスヘの参戦継続を休止すべきと判断いたしました。

これからの時代、二輸アフターパーツ業界においても環境性能を含めた高性能パーツの開発・製作が求められます。この分野において、イニシアティブを発揮しリーディングカンパニーとなれるよう研究開発を行うと同時に、将来、私たちにとって魅力的な鈴鹿8耐や新しいレースカテゴリーが生まれた時に復帰出来るよう、経営基盤の強化を行います。

レース参戦には多くの困難もありましたが、ファンの皆様や協力していただいた関係の皆様のご支援に支えられながら全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦し、4年間でポールポジション1回、表彰台3回、優勝1回を獲得することが出来ました。

また鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいては、2017年予選7位/決勝27位、2018年予選9位/決勝8位、2019年予選10位/決勝9位という成績を修めることか出来ました。

6年間モリワキレーシングに所属し、2014年/2015年と2年連続で全日本J-GP2チャンピオンをモリワキオリジナルフレームのMD600で獲得するなど、輝かしい成績を残してくれた高橋裕紀選手にも改めて謝意を表したいと思います。

モリワキは今後、すそ野を広げるレース活動及びサービスに重点を置き、お客様に楽しんでもらえる活動や企画を強化します。

また、魅力的な商品を販売できるよう様々なカテゴリーで研究開発を目的としたサーキット走行やレース参戦、時にはサーキット以外でのサポートや企画を積極的に取り組みモータースポーツの一層の発展に貢献すべく、邁進します。

これまで、温かいご声援をいただいたファンの皆様、レース活動をご支援いただいた関係者の皆様に対し、心より御礼申し上げます。

舞台は変わりますが引き続きモリワキスピリッツを胸に、挑戦してまいります。

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