広島市中心部を特定地域に格上げ協議 民間の開発加速に期待

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 広島市が、市中心部の紙屋町・八丁堀地区とJR広島駅周辺について、都市の国際競争力を高めるため民間の開発を促す「特定都市再生緊急整備地域」への指定を目指し、国と協議を進めていることが19日、分かった。国は既に両地区を税制や規制緩和で優遇する都市再生緊急整備地域に指定している。「特定」地域への格上げで、これまで以上に優遇措置を受けられる。指定されれば中四国地方では初めて。

 対象エリアは、紙屋町・八丁堀(161ヘクタール)と広島駅周辺(73ヘクタール)の両地区から絞り込む。建物の容積率や日影規制が緩和されるほか、道路を挟んで建物を整備できるなど開発の自由度が高まる。指定を機に、民間開発の機運をさらに加速させる狙いがある。

 市は27日、国や広島県、両地区で開発を予定する民間事業者たちでつくる協議会を設置する方向で調整。内閣府への指定申請に向け、具体的な対象エリアや整備方針を議論するとみられる。

 国が指定する都市再生緊急整備地域は現在、全国に55地域ある。このうち特定地域は三大都市圏と福岡、札幌の13地域にとどまる。内閣府によると、特定地域の指定は、交通の便が良く経済活動が盛んであること、国際競争を勝ち抜くポテンシャルがあることが要件。広島市が今後まとめる整備方針で、国際平和文化都市ならではの戦略をどう描くかがポイントとなる。

 紙屋町・八丁堀地区は、昨年10月に都市再生緊急整備地域に指定された。広島商工会議所ビル(中区)の移転を伴う市営基町駐車場・駐輪場周辺の再開発について、市や商議所、民間企業など関係者間で協議が進む。市が民間業者や地権者向けに設けた相談窓口には、これまで60件近くの相談が寄せられ、開発への関心が高まっている。

 <クリック>都市再生緊急整備地域 緊急かつ重点的に都市再生に向けた市街地の整備を進めるべき地域として、国が55地域(2018年10月時点)を指定。中国地方では、福山市の福山駅南(04年5月)、岡山市の岡山駅周辺・表町(03年7月)も指定している。民間開発の際に土地利用の規制緩和や事業認可の手続き期間の短縮、税制支援などのメリットがある。国は同地域のうち札幌、福岡市など13地域を国際競争力の強化につなげる「特定都市再生緊急整備地域」に指定している。より充実した税制支援に加え、インフラ整備の国補助なども活用できる。