<再ブレーク盤> Full Of Harmony『THE VOICE』 優しい雰囲気に包む歌声のチカラ

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Full Of Harmony『THE VOICE』

 男性ボーカル3人組によるメジャー・デビュー20周年記念作。ダンスを取り入れる訳でも、自作曲にこだわる訳でもなく、ただ3人の歌声を主軸として活動してきたことは実に感慨深い。

 CDは全10曲、ワイルドな作風の『音Maniacs』や『OVER DRIVE』や、流行のトロピカルなビートと艶っぽい歌詞の『Body line』から、メロウなバラードの『僕に歌える歌があるなら』や『DREAMER』まで相変わらずレパートリーが幅広い。バラードで三声が重なるのも見事だし、随所にキャリアを感じさせる。

 それでいて、様々なコラボがハマるのも彼らの強み。Mighty Crownとの『祝杯』ではアゲアゲになるし、若手女性ラッパーAYA a.k.a. PANDAとの『とりまレイドバック』ではソファでのイチャイチャが微笑ましいし(歌詞に「ウーバー(イーツ)」が入るのもイマドキ)、横山剣との『素晴らしき未来』ではバンド風に盛り上がって楽しい。決して濃厚すぎず、全体を優しい雰囲気に包むのも彼らの歌声のチカラだろう。

 DVDには、アルバムに先行して作られたミュージック・ビデオ(特に『DREAMER』でのハーモニーが絶品!)や、3人の楽曲解説や、歴代の関係者による祝福の声を30分超にまとめた『DOCUMENTARY OF THE VOICE』を収録した永久保存盤。本作を聴けば、文字や映像ではなく、声そのもののチカラを信じて密にコミュニケーションしたいと思うはず。

(ビクター・CD+DVD 3182円+税)=臼井孝