森林皆伐、条件付きで容認

県、協定見直し方針

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 県は長期的に手入れされず荒れた森林を整備する「荒廃森林緊急整備事業」に関し、森林所有者との間で取り交わす協定の見直しを進めている。協定では森林の機能維持を目的に20年間にわたり皆伐などが禁止されており、山林の利活用を進める上で足かせとなっていた。要件緩和を求める声を受け、条件付きで皆伐を認めて再造林などを促し、森林資源の循環利用を図っていく。

 同事業は、やまがた緑環境税を活用し、実行する際に「森林環境緊急保全対策事業実施に関する協定書」を締結する決まりがある。協定の主な内容は▽皆伐・転用の禁止▽森林組合との委託契約などによる協定期間内の持続的な森林管理の担保▽相続、譲渡した場合の協定の承継―の3項目。森林の再生と保全に主眼を置き、整備直後に安易に宅地転用などを行えないようにしている。

 現在、多くの木が伐採に適した「主伐期」を迎え、皆伐可能な箇所が出始めているが、協定の縛りがある所では手が出せないのが現状だという。また、松くい虫被害などが発生した際、皆伐や植え替えといった迅速な対応ができない事例も出てきている。県が各森林組合など28団体に聞き取り調査を行ったところ、9団体で協定が支障となり、一体的な皆伐・再造林を計画できなかったと回答した。

 これまで、有識者などによる協議では「やまがた緑環境税が障害になって森林資源の利用が進まないことは避けたい」「協定の縛りについては再造林を担保に外す議論をお願いしたい」といった意見が上がっていた。県は20年間の協定期間や内容は継続する上で、事業実施の翌年度から10年以上が経過した箇所については期限内に再造林を行うことを担保に皆伐を認めることとしている。

 見直し方針については10月に開かれた「やまがた緑環境税評価・検証委員会」で了承を得ており、今後、詳細を詰めて来年度から運用を始める予定。県森林(モリ)ノミクス推進課は「協定を緩和することで森林の循環利用を促し、やまがた森林ノミクスの推進を図っていきたい」としている。