温かい給食「おいしい」 伊勢原で再加熱式試食会 神奈川初、21年春の全市立中導入目指す

学校で温め直したデリバリー給食を味わう生徒たち

 神奈川県内初の「再加熱式のデリバリー給食」での中学校給食実施を目指す伊勢原市は14日、市立中沢中学校(同市下糟屋)で給食の試食会を開いた。3年生約120人が温め直されたおかずなどを食した。市は来年1月から同校で試行した上で、2021年春に市立中全4校で導入したい考えだ。

 この日のメニューは、ご飯、みそ汁、肉じゃが、小松菜のソテー、揚げシューマイ。

 市から委託された業者が同日午前、海老名市内の工場で調理。そのまま加熱できる容器におかずを入れ、ご飯とみそ汁とともに同校に運んだ。

 おかずは、同校の配膳室に導入された機械で、5分ほど再加熱。保温剤を入れたコンテナで運ばれたご飯とみそ汁は再加熱せず、配膳された。

 試食会に参加した生徒(14)は「学校に持参する弁当より温かく、みそ汁もある。栄養のバランスも良い。想像していたより良かった」と話し、来年1月を心待ちにしていた。別の生徒(15)も「おいしい。温かい給食が食べられてうれしい」と満足した様子だった。

 高山松太郎市長らも配膳室で再加熱する様子などを見学、別室で試食もした。市長は「これだけの温かさを保ち、生徒に食べてもらうことができて良かった」と述べた。

 中学校での完全給食を巡っては、校内で調理する「自校方式」を望む保護者が多いが、市教育委員会は予算面や早期導入の観点から、再加熱式のデリバリー給食の採用を決定。1食280円で、生徒や保護者は利用するか、弁当を持参するかを選択できる。市教委は今後、ニーズなどを把握するために生徒や保護者を対象にアンケートを行う。また果物やゼリーといったデザートを保冷して運搬することも検討する。

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