アストロズの“サイン盗み”疑惑を「徹底調査」へ MLBコミッショナーが明言

MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏【写真:Getty Images】

2017年に“チームぐるみ”で不正を行っていた可能性が浮上「深刻な問題」

 アストロズの“サイン盗み”疑惑が波紋を広げている。世界一に輝いた2017年に“チームぐるみ”で不正行為を行っていたことを当時所属していた選手らが証言し、チームへの非難が殺到。米メディアも大々的に取り上げているが、ついにメジャーリーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド・コミッショナーが「徹底した調査を行う」と明言したという。

 アストロズは2017年、本拠地の外野に設置したカメラで相手のサインを盗み見し、音で打席の打者に球種を伝えていたとされている。当時チームに所属していたマイク・ファイアーズ投手(現アスレチックス)らが証言し、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」が“疑惑”を伝えて大騒動に発展。ワールドシリーズで打ち込まれたカブスのダルビッシュ有投手(当時ドジャース)にロサンゼルスのファンが続々と謝罪するなどの事態となっている。

 米記者からは「世界一剥奪」や「アストロズ解散」などの厳しい処罰を求める声も上がっている中、MLB公式サイトは「マンフレッド:アストロズの調査は徹底的に」とのタイトルでレポート。マンフレッド・コミッショナーは「試合の結果や試合に影響するルール違反への疑惑は最も深刻な問題です。野球の公正性にも関わります。本当に徹底した調査となります。現時点では、アストロズに関する情報に集中しています。他の人たちも関わることになるかは分かりません。そうなった場合に対応します」と話したという。

 アストロズ以外の球団もサイン盗みを行っていた可能性があるとの報道もあるが、コミッショナーは「現時点では、アストロズ以外も行っていたと信じる理由がありません。どのような処罰が適しているかは現時点では言えません。調査が完了した時に確立された事実によります」と言及。現状ではまだ処罰の内容については決まっていないとした上で「可能な限り徹底した調査をすることが本当に重要です。起こっていたこと全てを可能な限り把握することができるように努めます。シーズンが始まる前までに完了することを望んでいます」とも記事の中で語っている。

 米球界が“激震”に見舞われた今回の事件。どんな結末を迎えるのだろうか。(Full-Count編集部)

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