小芝風花「自分は大丈夫という謎の自信は捨てて」首都直下地震描くドラマに主演

NHK総合で12月1日から8日まで放送するNHKスペシャルシリーズ「体感首都直下地震」内の4夜連続ドラマ「パラレル東京」(2日午後7:30、3~5日午後10:00)の会見が行われ、主演の小芝風花と共演の高橋克典が登壇した。

物語は架空の東京=“パラレル東京”を舞台に、マグニチュード7.3の首都直下地震に襲われた東京のテレビ局で働くニュースチームの4日間の闘いを、ほぼリアルタイムでVFXを駆使して描いていく。倉石美香(小芝)は、「NNJテレビ」で夜のニュース番組のスポーツコーナーを担当するサブキャスター。2019 年12月2日午後4時4分、東京を震源とするマグニチュード7.3の大地震が発生。メインキャスターが震災に巻き込まれたため、美香はニュース編集長の江口繁之(高橋)に「自分を使ってほしい」と志願する。混乱するニュースセンターで、未曽有の被害を伝える美香。中継クルーが火災に巻き込まれ、多数の被害映像に打ちのめされながら何とか初日の放送を終えるが、妹との連絡が途絶えてしまう──。

美香役を演じた小芝は台本を読んで涙したことを明かし、「本当に自分の身に起こるかもしれないんだということを実感しました。文字で読んだだけでも怖かったんですが、映像で見ると、より恐怖心が大きくなってゾクっとしました」と恐怖を覚えたことを告白。さらに「地震についても自分に降りかかることとは思えずに、あまり深くは考えていなかったし、家族ともきちんと話したことがありませんでした。でもそういう人って多いと思うんですね。この番組には、(自分の行動や言動によって)大切な人の命が守れるかもしれないということがたくさん詰まっているので、本当に多くの方に見ていただきたいですし、私自身も番組を見て勉強したいです」と訴え、「自分は大丈夫っていう謎の自信は捨てて、みんな平等に被害に遭うことがあるっていうことをきちんと認識したい」と自分自身にも言い聞かせながら話した。

また、美香が担当するニュース番組の編集責任者・江口を演じる高橋も「このドラマはエンターテインメントではありますが、本当の意味での注意喚起でもあります。地震大国に住みながら知らないことが多いですが、対応についてさまざまな情報が詰まっているので、日本にいらっしゃる方全員に見ていただきたいと思います」と力強く呼び掛けた。

劇中、正義感にあふれる美香と中間管理職である江口はしばしば対立するが、小芝は「美香はまだ新人で、何事にも真っすぐで情熱を持っている人。それに対して江口さんは大人なので、大人と子どもの言い合いという感じだったんですが、1話のラストシーンで感情表現に悩んでいたら、克典さんが台本を持ってきてくださって、私の役柄のことを一緒に長い時間考えてくださって。役柄的にも俳優としてもたくさん勉強させていただいて、本当にうれしかったです」とにっこり。

小芝からの感謝の言葉に「恐れ入ります」と照れつつも恐縮していた高橋は、「小芝さんは素晴らしい役者さんだと思いました。素の部分でも役の上でも若さの強いエネルギーを感じながら、僕は今回“受け”の芝居をしていたと思います。若いエネルギーと芝居するのはいいですね」と小芝との共演に刺激を受けたことを伝え、「高橋克典だからこういう芝居とか、俺はこういう熱量じゃなきゃとかではなく、できるだけ冷静に落ち着きながら江口というキャラクターを演じました」と役作りについて明かした。

© 株式会社東京ニュース通信社