年間売上485億円! 稼ぐ空港・新千歳の秘密とは?

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今週のけいナビは「新千歳空港」がテーマ。
新千歳空港を含む道内7つの空港は、来年から順次民営化が始まる予定。

道内7空港では、新千歳を皮切りに民営化が始まる

空港は単なる移動の拠点ではなく、役割が広がっている。まずは利用客がどんな過ごし方をしているのか、取材した。
午前10時すぎ、店の前には、何やら行列が…。お目当ては、パン。

パンを求めて長い行列が

愛知県から来たという夫婦は、袋いっぱいにお土産を買い込んでいた。「最初から空港でお土産を買う予定でいた。予算はない」と満足気だった。

袋いっぱいにお土産を買い込む

タイからの観光客は、「ラーメンを食べて、そのあとドラえもんの施設に行くよ!食べ物もあるしキャラクターの施設もあって、新千歳空港は楽しい!」と話していた。

空港で楽しむタイからの観光客

中には、「飛行機に乗らない」という人も。「子どもが飛行機を見たいというので」「子どもと1日過ごすことも多い」という親子連れも多くいた。

飛行機を使わない地元客の姿も多い

空港は、たいてい航空会社から指定される60分から90分前に到着する人が多い。新千歳空港を取材すると、5時間~6時間前からターミナルビルで過ごす客も少なくなかった。さらに、飛行機に乗らない人も多いことが分かった。
そこから見えてきたのは、新千歳空港ターミナルビルのさまざまな仕掛けだ。

国際線のターミナルビルは、増床工事で面積が2倍に拡大

まずはリニューアルしたばかりの国際線。増床工事によって、国際線ターミナルビルの広さは約2倍に拡大。大行列を作っていた手続きカウンターが2倍に増え、 カフェや土産物店も新たに増えた。総事業費は650億円だ。
新千歳空港ターミナルビルディング・リテール事業本部の齋藤 慎さんは、「東京五輪など大規模な国際イベントを控え、旅客の増加による施設混雑の解消が喫緊の課題だった」と話す。

入国審査の顔認証システムや、最新の自動チェックイン機などを導入した

去年の新千歳空港・国際線の利用者数は、約372万人。100万人を突破した2012年以降 、右肩上がりで増え続けている。そこで、国が進める、円滑で効率良い出入国を促す=ファストトラベルも重視。その一環で入国審査の顔認証システムや 最新の自動チェックイン機などを導入した 。

入国審査の顔認証システム

また、大きく変わったのが制限エリアの搭乗待合スペース。国内外から人気のラーメンや寿司、海鮮の飲食店8店舗が軒を連ねる、フードホール「北海道市場食堂街」だ。国内線3階で既に人気を集める レストランフロアを踏襲している。

フードホールに新しく出店した、北海道和牛・牛美道(ギュウビドウ)。メニューには “A5ランク”の高級・道産和牛がずらり。手掛けたのは横浜の飲食コンサルタントJtoW(ジェイトゥダブル)。最終的な出店先は海外を想定している。こだわりの和牛はすべてイスラム教のハラルに対応。アルコールを含まないハラル専用の調味料や、キッチン設備を揃えた。稼げるだけでなく、海外に店舗を広げるための市場調査の意味合いもあるという。

1番人気のすき焼き

一方、国内線ではことし5店舗が新しくオープン、4店舗がリニューアルオープンしている。一定の期間を設けているわけではないが、空港内では毎年、10店前後の入れ替えが起きる。新千歳空港が目指すのは、「空港=商業施設」という形。飲食・物販・エンターテインメントが揃う新千歳空港は、巨大な複合商業施設。

きたキッチンもことしリニューアルオープン

売上高は485億円。乗降客数の近い福岡・那覇と比べると、その差は200億円だ。

新千歳は飛行機を使わない利用客も多く、売上高が他の空港よりも高い

商業施設と考えれば、大丸札幌、丸井三越と東急百貨店の間くらい に位置することになる。決して高額商品を売っているわけではない空港がこの位置につける、すごさがわかる。鍵を握るのは、店舗の入れ替えやリニューアルの見極めだ。国内線到着ロビーに店を構える「十勝・銀龍苺」。生産者が直接販売する、ブランド苺の店。

狙いは知名度アップ。齋藤 和枝専務は、「北海道で認知度はまだ低かった。新千歳には旅行客、ビジネス客などが集まり、国内外に名前を売れるかもしれない」と話す。オープンしたのは去年11月。しかし、今月たった一年で大幅なリニューアルに踏み切った 。

商品づくりも空港側がサポートする

わずか1年でのリニューアルは、比較的入れ替わりが活発な空港内でも、かなり早い方だという。初年度の売り上げや集客の状況をみて、空港側がリニューアルを提案した。商品開発などもサポートするという。リニューアル後は、日持ちする焼き菓子などを中心に、約15種類の新商品を展開する予定だ。

すでに道内土産の代表格として売り場に陣取る石屋製菓も、ことし新店舗を出した。

石屋製菓のカフェ型店舗は、出足が好調とのこと

石屋製菓がカフェスタイルの店を構えるのは、札幌中心部の自社ビルと北広島市役所に次いで3店舗目。目的は、新規客の開拓。カフェの入り口にはチョコレートの噴水がそびえ立ち、看板メニューのチョコレートドリンクは自分で蛇口から注ぐ体験型に。国内外問わず顧客開拓に手応えを感じているという。店には2カ月で想定を上回る約4万2,000人が訪れたという。

新千歳空港で数時間過ごすという杉村太蔵さん

さまざまな工夫で稼ぐ新千歳空港。空港民営化でも、他の6空港を引っ張る役割を担う。
番組の最後は杉村太蔵さんの一言。コメントのフルバージョンはYouTubeなどのSNSで公開中。
(2019年11月23日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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