日本から7名出場 優勝賞金1000万円のトーナメント開戦<卓球・T2ダイヤモンド見どころ>

写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会の張本智和/撮影:ラリーズ編集部

<T2ダイヤモンド2019シンガポール 2019年11月21日~11月24日>

21日からT2ダイヤモンドの第3戦、シンガポール大会が開催される。今年9月に予定されていた第2戦の中国大会が延期となったため、7月に行われた第1戦のマレーシア大会以来、4ヶ月ぶりの開催となる。

T2ダイヤモンドは、通常のワールドツアーとは少し異なり、獲得賞金やポイント、ルール等が特殊だ。今回は、そんなT2ダイヤモンドシンガポール大会の見どころを紹介する。

獲得賞金・ポイント、ならびに競技ルール

写真:T2ダイヤモンドでの演出/撮影:ラリーズ編集部

まずは獲得賞金と獲得ポイントについて見ていく。賞金総額50万ドル(約5400万円)優勝賞金は10万ドル。仮に初戦敗退となっても5000ドルが手に入る。この10万ドルというのが、ワールドツアー・グランドファイナルの優勝賞金額と同額であることを考えると、いかに大規模の大会であるかが理解できるだろう。

写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会の会場/撮影:ラリーズ編集部

一方、獲得ポイントは、優勝すれば1,000ポイント、初戦敗退の場合は400ポイント。こちらに関しては、通常のワールドツアーはおろか、ワールドツアーよりランクが下のチャレンジプラスの優勝ポイント(1100ポイント)よりも少ない。

ただし、T2ダイヤモンドでの獲得ポイントには特殊な計算方法が採用され、獲得したポイントはボーナスポイントとして選手に付与される。通常、世界ランキングは、過去1年間の中から獲得ポイントの高い8大会のポイント合計によって決まるが、それに加えてT2ダイヤモンドのポイントが別に加算されるのだ。

写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会で快進撃を見せた加藤美優/撮影:ラリーズ編集部

続いて、競技ルールについて見ていく。試合は4ゲーム先取の7ゲームマッチで、デュースなしの1ゲーム11点先取で行われる。

また、試合時間が24分を越えた場合、デュースなしの1ゲーム5点先取となる。ゲーム間の休憩は45秒、サーブとサーブの間は15秒、タオル使用は30秒といった厳しい時間制限もある。そのため、普段の大会に慣れている選手は、自分の間を崩されて思うように力を発揮できない場合もある。ゆえに、番狂わせも十分に起こり得るのだ。

男子シングルス見どころ

日本勢は、張本智和(木下グループ)、水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)が出場する。

張本は初戦で、シンガポールのCHEW Zhe Yu Clarenceと対戦する。対戦相手のCHEW Zhe Yu Clarenceは開催国枠で出場する世界ランキング276位の選手だ。世界ランキングを考えると有利ではあるが、T2ダイヤモンド独自のルールがあるため、そう簡単には勝たせてもらえないだろう。前回は初戦敗退と、悔しい結果で終わっているだけに、まずはT2ダイヤモンド初勝利を目指す。

水谷は、ドイツのドミトリ・オフチャロフと初戦を戦う。対戦相手のオフチャロフは世界ランキング12位の強敵。一筋縄ではいかない戦いになるだろうが、一つでも勝利を挙げ、より多くのポイントを稼ぐことが期待される。

写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会の丹羽孝希/撮影:ラリーズ編集部

丹羽は初戦で、ブラジルのウーゴ・カルデラノと相まみえる。参加予定だった選手の棄権により、直前に繰り上げ出場となった丹羽。直近のオーストリアオープンでシングルスベスト8に進出しており、調子も上々。東京五輪代表の選考レースが佳境を迎える中、チャンスが降ってきた形だ。対戦相手のカルデラノは、先日のオーストリアオープンで丹羽が2-4で敗れた選手。今大会でリベンジすることができるか。

男子組み合わせ

許昕(シュシン・中国) ー 黃鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)
鄭栄植(チョンヨンシク・韓国) ー 梁靖崑(リャンジンクン・中国)
ウーゴ・カルデラノ(ブラジル) ー 丹羽孝希
CHEW Zhe Yu Clarence(シンガポール) ー 張本智和
林昀儒(リンインジュ・チャイニーズ・タイペイ) ー 張禹珍(ジャンウジン・韓国)
李尚洙(イサンス・韓国) ー パトリック・フランツィスカ(ドイツ)
ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ) ー 水谷隼
マティアス・ファルク(スウェーデン) ー 林高遠(リンガオユエン・中国)

女子シングルス見どころ

日本からは、伊藤美誠(スターツ)、平野美宇(日本生命)、石川佳純(全農)、佐藤瞳(ミキハウス)が出場する。

写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会の伊藤美誠/撮影:ラリーズ編集部

伊藤は、初戦から石川との日本勢対決に臨む。先日のオーストリアOPで今シーズンワールドツアーシングルス初優勝を成し遂げた伊藤は、東京五輪の代表選考基準を満たし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

一方の石川もオーストリアオープン本戦1回戦では、世界ランキング27位の難敵、陳思羽(チェンズーユ・チャイニーズタイペイ)にストレートで勝利し、今大会にも出場する王藝迪(ワンイーディ・中国)に、2-4で敗れはしたが好ゲームを演じた。現在、世界ランキング日本女子第2位で、東京五輪出場枠を争う石川は、今大会には並々ならぬ思いがあるだろう。初戦から熱い試合が見られるに違いない。

平野は、韓国の田志希(チョンジヒ)と、佐藤は王藝迪とそれぞれ対戦する。両者とも強敵だが、初戦は何としてでも突破したいところだろう。

女子組み合わせ

孫穎莎(スンイーシャ・中国) ー 鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)
何卓佳(フーズオージャー・中国) ー 丁寧(ディンニン・中国)
陳幸同(チェンシントン・中国) ー 于夢雨(ユモンユ・中国)
朱雨玲(ジュユリン・中国) ー 王曼昱(ワンマンユ・中国)
伊藤美誠 ー 石川佳純
佐藤瞳 ー 王藝迪(中国)
平野美宇 ー 田志希(韓国)
馮天薇(フォンティエンウェイ・シンガポール) ー 陳夢(チェンムン・中国)

文:ラリーズ編集部

© 株式会社ラリーズ