宮城県、観光財源「宿泊税」導入へ制度案 有識者会議で提示

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 宮城県は20日、観光振興施策の新たな財源確保策として、県内のホテルや旅館に宿泊する観光客への課税が適当とする制度案を公表した。「宿泊税」の導入を打ち出した県は東北で初めてとなる。

◎1人1泊100~500円

 同日あった有識者でつくる県観光振興財源検討会議の第7回会合で示した。課税対象は県内のホテルや旅館、簡易宿泊所、民泊施設などの宿泊者を想定する。一定の金額を支払う宿泊料金は観光施設の利用料や飲食代などに比べて課税しやすく、宿泊客には税を負担する「担税力」が見込めると判断した。

 徴税額は1人1泊当たり100~500円の5案を提示。県内の年間宿泊者数を1000万人と仮定した場合、税収見込み額から必要経費を差し引いた観光振興事業に活用できる額を約8億~43億円と試算した。

 宿泊料金に応じた税率区分を設けるかどうかは、担税力や公平性の観点から今後の検討課題とした。課税期間は5年間。5年ごとに延長などを含めた制度の在り方を検討する。

 県内20の事業者・団体に聞き取りした結果も公表。新税に対し「ワンコインで収まる価格が良い」「使途の見える化が必要だ」との肯定意見のほか、「宿泊事業者の狙い撃ちは良くない」と反対する声もあった。

 非公開で行われた会合では委員から慎重姿勢を求める意見もあり、結論は次回以降に持ち越した。会長の田中治同志社大教授(税法)は「負担を求めた場合の観光客の動向や事業者の経営負担などを勘案した上で判断する」と述べた。

 宿泊税を導入した主な自治体は東京都、大阪府、京都市、金沢市など。