FIA、不正疑惑騒動収束のためフェラーリF1の燃料システムを調査へ。3台のパーツを押収との報道

 FIAがF1第20戦ブラジルGPで、フェラーリSF90を含む3台の燃料システムのパーツを差し押さえたとドイツのAuto Motor und Sport誌が伝えた。同誌は、合法かどうかライバルたちから疑問を持たれてきたフェラーリのシステムを詳細に調べることが目的であると考えている。

 サマーブレイク後に圧倒的速さを示すようになったフェラーリに対し、ライバルたちは疑いの目を向けてきた。レッドブルは燃料流量についての規則の解釈についてFIAに問い合わせを行い、それを受けてアメリカGP予選前に、FIAは技術指令書を通して、指摘されたシナリオは規則違反であると明言した。

 FIAはブラジルGP前に再度技術指令書を発行、エンジン冷却システムの可燃性液体を燃焼に用いることは許されないと強調した。

 フェラーリは、最初の技術指令書が発行された後、ポールポジションも優勝も獲得しておらず、圧倒的速さが鳴りを潜めている。技術指令書を受けて変更を行ったためであるという見方も一部でなされているが、フェラーリ陣営はこれを否定し、不正を行ったという事実はないと強く主張している。

2019年F1第20戦ブラジルGP予選日 シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 レッドブルもメルセデスもこの件について行動を起こす予定は現時点ではないと述べており、FIAに対して新たな問い合わせも抗議もなされていない。しかしFIAは状況を明確にし、事態の収束を図るため、ブラジルGP後、フェラーリSF90、フェラーリのパワーユニット(PU/エンジン)搭載車、フェラーリ以外のパワーユニット搭載車の3台の燃料システムを押収したと、Auto Motor und Sportは報じている。FIAは自身の研究室でこれらのパーツを比較し調査を行い、何か問題があった場合には最終戦アブダビまでに発表するのではないかと考えられている。

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