虐待から子ども守ろう 長崎短期大副学長・川原さんが平戸で講演 関係機関の連携重要

子どもを虐待から守るため、関係機関が協力することの大切さを呼び掛ける川原さん=平戸署

 元県中央児童相談所長で長崎短期大副学長の川原ゆかりさんが、平戸署で講演し、虐待から子どもたちを守るため、児童相談所と警察、学校など関係機関の連携の重要性を訴えた。
 同署や平戸市、市教委など11団体で構成する「平戸地区犯罪被害者支援ネットワーク」のサポート態勢強化に生かそうと会合に合わせ、15日に開催。署員や関係者約50人が聴講した。
 川原さんは、全国の母子、再婚家庭などで起きた子どもの虐待事案を紹介。児童相談所だけで「家庭」という密室に介入し、親権者や対象の子とコミュニケーションを図ることが難しい現状を明かした。
 虐待で子を死に至らせる保護責任者遺棄致死は厳罰化の傾向だが「幼い命が親の養育放棄で亡くなるのはむごいこと」として、子どもを守るため関係機関の協力が重要と指摘。「誰もが起こりうることと捉え、一歩前へ踏み出そう」と呼び掛けた。

© 株式会社長崎新聞社