【全国の一度は訪れたい温泉地】しだれ柳に誘われて七つの外湯巡り 城崎温泉<兵庫県>

いよいよ温泉のベストシーズンがやってきました。肌寒さを感じたら、芯から身体が温まる温泉が恋しいですね。私たちの身体も心も寛がせてくれる温泉は、日本の素晴らしい財産。日本各地の数ある名湯の中で、一度は訪れたい人気温泉地があります。そこで、TABIZINEでは「全国の一度は訪れたい温泉地」を連載でお届けします。今回は、兵庫県の城崎温泉です。

1400年の歴史を持つ、関西屈指の名湯

写真提供:(公社)ひょうご観光本部フォトライブラリー

「城崎(きのさき)温泉」は、約1400年もの歴史を誇る関西屈指の名湯。

こうのとりが傷を癒したと伝えられる「鴻の湯」、道智上人が難病治療を願って曼陀羅を修めて掘りあてたと伝えられる「まんだら湯」の2つの温泉の発祥が伝わっており、平安時代の古今和歌集には「但馬の国の湯へまかりける時、二見の浦と云う所にとまりて・・・」(藤原阿法師)と、すでに1000年以上も昔から都の貴人がはるばる城崎の温泉に赴いていたことがわかります。江戸時代になると、温泉医学を大成した香川修徳氏が城崎温泉の一の湯(当時は新湯)を日本一の湯と推賞したことにより、城崎温泉の名声は大いに高まりました。

小説のタイトルになるほど、文人に愛された

写真提供:(公社)ひょうご観光本部フォトライブラリー

関西屈指の名湯は、文人たちも惹きつけました。

志賀直哉は城崎温泉滞在中の体験をもとに小説「城の崎にて」を執筆し、生涯に十数回訪れています。「温泉はよく澄んで湯治によく、周囲の山々は緑で美しい。おいしい日本海の魚を毎日食膳に出し、客を楽しませてくれる。人の心は温かく、木造作りの建物とよく調和している」と評価し、お気に入りだったことが伺えます。

ほかにも、松尾芭蕉、島崎藤村、与謝野晶子、有島武郎、司馬遼太郎など、著名な文人が城崎を愛しました。

七つの外湯巡り

写真提供:(公社)ひょうご観光本部フォトライブラリー

城崎に来たら、もちろん「外湯めぐり」。柳が揺れる川沿いに広がる、情緒たっぷりのいで湯の町。城崎温泉のドレスコードは、浴衣姿。浴衣と下駄で、七つの外湯を巡りましょう。外湯には定休日がありますので、事前に確認してお出かけくださいね。

駅舎温泉 さとの湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

ふれあいの湯

2000年7月にできた日本最大の駅舎温泉。城崎温泉駅のすぐそばなので、電車の待ち時間に足湯もできます。円山川や自然を眺めながら、のんびりどうぞ。サウナもありますよ。

一の湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

合格祈願・交通安全、開運招福の湯

江戸中期温泉医学の書「薬選」の中で、天下一と推賞されたことから「一の湯」と呼ばれるようになりました。桃山様式の歌舞伎座を思わせる建物で町の中央にあり、名実共に城崎温泉の象徴。洞窟風呂あり。

御所の湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

火伏防災・良縁成就、 美人の湯

歴史物語「増鏡」に、文永四年(1267年)後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯された記事があり、「御所の湯」と呼ばれるようになりました。七つの湯の中では最も新しく、2005年7月にリニューアルオープン。

ガラス張りの天空大浴場、温泉ミストサウナあり。

まんだら湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

商売繁盛・五穀豊穣、一生一願の湯

養老元年(717年)に道智上人という偉いお坊さまが千日祈願した後、湧き出たといわれる奇跡の湯です。一生に一度のお願いがある時は、願掛けしたら叶うかもしれません。

地蔵湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

家内安全・水子供養、衆生救いの湯

お地蔵さまの足元から湧いて出たといわれるありがたい湯で、「衆生救いの湯」ともいわれます。2階には湯上りエステあり。

鴻の湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

夫婦円満・不老長寿、しあわせを招く湯

1400年前こうのとりが足の傷を癒していたことから発見されたといわれています。露天風呂あり。

柳湯

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

子授安産、子授けの湯

中国の名勝西湖から移植した柳の木の下から湧き出たといわれています。子供を授かりたい人には効果があるそうですよ。

【効用】

効能:神経痛・筋肉痛・うちみ・慢性・消化器病・痔病・疲労回復 他

泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉

温度:42℃

城崎といえば、カニ!

写真提供:(公社)ひょうご観光本部フォトライブラリー

城崎温泉の魅力は、温泉だけではありません。カニ漁解禁の11月から3月までは、松葉ガニが味わえます。最高級の松葉ガニで、「かに刺し」「ゆでがに」「焼きがに」「かにすき」などかに三昧したいですね。温泉とカニの幸せすぎる組み合わせ。冬に向かいたくなる温泉です。

ミシュランで二つ星を獲得した城崎温泉

写真提供:豊岡市フォトライブラリー

フランスの大手タイヤメーカー「ミシュラン」の旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(フランス語版)改訂第3版に、「城崎温泉」が「寄り道をして訪れるべき場所」を意味する二つ星(★★)として掲載されました。世界に認められた、人気観光地なのです。

一度は訪れたい、城崎温泉。その魅力を確かめに、あなたも出かけませんか。

城崎温泉(きのさきおんせん)

【住所】〒669-6101 兵庫県豊岡市城崎町湯島

【入浴料】

さとの湯 大人800円

鴻の湯・まんだら湯・御所の湯・一の湯・柳湯・地蔵湯 大人700円

日帰り向け 一日入浴券(その日に営業しているすべての外湯に、何回でも入浴できる入浴券)大人1,300円

【定休日】

さとの湯(月)、御所の湯(第1・3木曜日)、鴻の湯(火)、一の湯(水)、地蔵湯(金)、まんだら湯(水)、柳湯(木)

【公式サイト】城崎温泉観光協会 http://www.kinosaki-spa.gr.jp

https://youtu.be/yrt4fLsgaCY

湯けむり日本 温泉の旅 城崎温泉/Channel Panasonic - Official

【主な宿泊施設】

西村屋ホテル招月庭

登録文化財の宿 三木屋

城崎温泉 但馬屋

千年の湯 古まんほか

参考資料

城崎温泉

豊岡市役所

注意:記事掲載の情報は、2019年11月6日現在のものになりますので、詳細につきましては、各観光協会や施設に直接お問い合わせください。

© 株式会社オンエア