MotoGPバレンシアテスト:マルク・マルケスが新フェアリングをテスト。ビニャーレスが2日目、総合をトップで終える

 11月20日、バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットでMotoGPクラスの2020年シーズンに向けた公式テスト2日目が行われた。2日目はマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマーク。2日間総合としてもビニャーレスがトップで終えた。

 この日は前日に比べて暖かい陽気に恵まれた。日陰にいると芯まで冷えるような寒さだったテスト初日から一転、昼間の時間帯には小春日和のようなポカポカとした気候のなか、テストが行われた。

 テスト2日目もフル参戦ライダーに加えてテストライダーが参加してテストを行ったが、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)は走行を行わなかった。ペトルッチは初日の走行後、取材のなかでバレンシアGP決勝レースでの転倒により左肩を痛め、このために10周で初日テストを切り上げたと語っていた。

 テスト自体は10時からスタートしたが、この日も多くのライダーが11時近くになってから走行を開始。前日に引き続き、2020年シーズンに向けたテストプログラムに取り組んだ。

 13時ごろ、走行中だったアンドレア・イアンノーネ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)のマシンがメインストレートで火を噴いた。このため赤旗が提示され、セッションはしばらく中断となった。また、このころにはレプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスと弟で2020年シーズンから最高峰クラスに昇格するアレックス・マルケスが連なって走行する様子も見せた。

 また、レプソル・ホンダ・チームのホンダRC213Vに、新しいフェアリングを装着したマシンが登場。特に前側のフェアリングの形状に変化が見られるこのマシンを、マルク・マルケスがしばらくの間走らせている。

新しいフェアリングを装着したホンダRC213Vを走らせたマルク・マルケス

 最終的に2日目をトップタイムで終えたのはマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)。ビニャーレスは新シャシーをテストし、ベストタイムは1分29秒849だった。2番手はファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)、3番手がフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)で、トップ3にヤマハ勢が並んだ。

 マルク・マルケスは7番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)は11番手。チーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルとアレックス・リンスはそれぞれ5番手と6番手だった。

 レプソル・ホンダ・チームのアレックス・マルケスは20番手。この日は走行を行ったライダーのなかでも最多の79周を走り込んだ。同じくルーキーのイケル・レクオーナ(KTMテック3・レーシング)は15番手、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー)は22番手タイムをマークしてテストを終えている。

 2日目のテストはほぼ初日と同じようなテストが行われていたが、前述のようにマルク・マルケスが新フェアリングのホンダRC213Vをテスト。KTMのポル・エスパルガロは2種類のシャシーでテストを行い、また、この2日間、新エンジンで走行を行った。チーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスはエンジンの比較テスト行ったということだ。

 2020年に向けたMotoGPクラスのバレンシア公式テストは2日間の日程を終了。11月25日~26日にはヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトにてプライベートテストが実施される。

2日間のテスト総合トップタイムをマークしたビニャーレス
ヤマハの2020年型ヤマハYZR-M1プロトタイプ(右)は、特にエアダクトの形が変わっている
ドゥカティは新シャシーもテストしたというが、外観に大きな変化はないようだ
新エンジンをテストしたスズキ。フェアリングには変化がないようだ

■MotoGPバレンシア公式テスト 2日目タイム結果

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time Laps/Total

1 12 M.ビニャーレス モンスターエナジー・ヤマハMotoGP ヤマハ 1’29.849 56 / 67

2 20 F.クアルタラロ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’30.013 42 / 64

3 21 F.モルビデリ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’30.114 50 / 52

4 35 C.クラッチロー LCRホンダ・カストロール ホンダ 1’30.316 59 / 73

5 36 J.ミル チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’30.427 54 / 61

6 42 A.リンス チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’30.503 54 / 57

7 93 M.マルケス レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’30.556 53 / 71

8 44 P.エスパルガロ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM 1’30.685 12 / 46

9 46 V.ロッシ モンスターエナジー・ヤマハMotoGP ヤマハ 1’30.781 55 / 68

10 43 J.ミラー プラマック・レーシング ドゥカティ 1’30.854 57 / 59

11 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’31.143 37 / 42

12 53 T.ラバット レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’31.258 62 / 63

13 51 M.ピロ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’31.424 31 / 40

14 26 D.ペドロサ KTMテック3・レーシング KTM 1’31.470 28 / 48

15 27 I.レクオーナ レッドブルKTMテック3 KTM 1’31.515 10 / 57

16 41 A.エスパルガロ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’31.526 22 / 43

17 17 K.アブラハム レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’31.597 53 / 59

18 6 S.ブラドル レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’31.657 29 / 54

19 29 A.イアンノーネ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’31.800 36 / 38

20 73 A.マルケス LCRホンダ ホンダ 1’32.235 52 / 79

21 38 B.スミス アプリリアファクトリー・レーシング アプリリア 1’32.249 26 / 32

22 33 B.ビンダー レッドブルKTMファクトリーレーシング KTM 1’32.367 61 / 66

NC 9 D.ペトルッチ ドゥカティ・チーム ドゥカティ ─ ─

NC 82 M.カリオ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM ─ ─

※リザルトの表記は公式に準ずる。

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