「闇サイトで犯行グループと接触」 特殊詐欺「受け子」の巡査を懲戒免職

神奈川県警本部

 県警は21日、特殊詐欺に関わったとして、窃盗容疑で逮捕された第1交通機動隊の巡査の男(24)=横浜市南区=を懲戒免職処分とした。横浜地検は同日、同容疑者を窃盗の罪で起訴した。

 起訴状などによると、被告は氏名不詳者らと共謀して10月7日、横須賀署員を装って横須賀市の80代の男性宅を訪問し、男性からキャッシュカード2枚をすり替えて盗んだ、とされる。

 県警監察官室によると、被告はこのカードを使って計100万円を横浜市都筑区のコンビニエンスストアの現金自動預払機(ATM)で引き出した。コンビニの防犯カメラ映像の解析などから浮上し、10月31日に逮捕された。

 被告は「ギャンブルで300万円ほどの借金があった。返済額が膨らみ短期間で金になる仕事を探し、闇サイトで犯行グループと接点を持った」などと供述。「ほかにも同様の行為を6回くらいやった」とも話しており、県警は裏付けや背後関係の捜査を進める。グループの指示役には警察官であることを告げていたという。

 また、県警は21日、人身事故の呼気検査の不正を隠すため虚偽の捜査報告書を作成したとして、相模原南署交通課の男性巡査部長(46)ら署員4人を減給や戒告の懲戒処分とし、同日、虚偽有印公文書作成容疑などで書類送検した。監察官室によると、巡査部長らは昨年11月26日に相模原市南区の県道で発生した車3台が絡む事故で、追突した軽乗用車を運転していた50代男性の呼気検査を適正に行わず、その発覚を免れるため虚偽の捜査報告書を作成したり、作成するよう指示したりしたという。

 古谷洋一本部長は21日の定例会見で、職員の不祥事が相次いでいることを陳謝し、「借財、飲酒の問題などが考えられるが、原因や背景を調査、分析し、再発防止に取り組みたい」と述べた。

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