ドイツ電機最大手・シーメンスから技術認定 亀山電機・滝川さん 制御システムの販売支える

「もっと技術力を高めていきたい」と話す滝川さん=長崎市弁天町、亀山電機

 産業機器の自動制御システムを開発、販売する亀山電機(長崎市)は、ドイツの電機最大手、シーメンスから「パートナー」に認定され、商品販売を許可されている。保守や設計で高い技術力を持っている証し。その技術を支える一人が、システム技術部の滝川雄さん(41)だ。

 シーメンスは自動制御装置分野で世界トップ級のシェアを誇る。亀山電機がパートナー認定を受けたのは、複数の機械に指令を出し、総合的にコントロールする仕組みをつくる「シマティックPCS7」。世界中で幅広く使われている制御システムだ。認定により、亀山電機は海外進出する企業などにPCS7の販売が可能に。2024年の海外販売目標額を19年から倍増の20億円と設定している。

 PCS7の販売資格を持つのは全国で3社。2年に1回実施される試験を受け、1社当たり2人以上の合格者を出すことが必須条件で、滝川さんは18年、先輩と共に合格した。シンガポールで実技試験などに臨み、発電所や工場などで機械を抑制する装置を動かすプログラムの設計技術などが認められた。

 中学生の頃からものづくりに興味を持ち、佐世保工業高等専門学校卒業後、長崎大大学院などを経て亀山電機に入社した滝川さん。工場の自動化で用いる制御盤の設計などを通して、ものづくりに貢献できることがうれしいという。シーメンスが認める技術者の一人になり「日本の西の果てにいながら、世界に向けた仕事もできている。もっと技術力を高めていきたい」。その思いを胸に日々、研さんを重ねている。

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