MRで貨客混載輸送 佐川急便、鉄道では九州初

 九州運輸局は21日、佐川急便(京都市)が松浦鉄道(MR、佐世保市)の列車を使った宅配物の輸送を27日から始める、と発表した。鉄道を活用した貨客混載の取り組みは、九州で初めて。二酸化炭素(CO2)排出量の削減や、ドライバーの負担軽減につながると期待される。
 佐川急便とMRは運送業務委託契約を結ぶ。佐川急便は集配効率を上げ、省人化や生産性向上を図る狙い。MRにとっては人口減少に伴う利用客減を補う新たな収入源となる。
 運輸局によると、MRの松浦駅(松浦市)と潜竜ケ滝駅(佐世保市江迎町)の区間で、平日午後に導入する。松浦駅では、最寄りの佐川急便の営業所に届いた宅配便の荷物を仕分けして、列車の空きスペースに積み込む。潜竜ケ滝駅で荷物をトラックに積み替え、配達先まで運ぶ仕組み。
 これまで松浦市内の営業所から佐世保方面に配達していたトラックなど2台分を鉄道輸送に置き換える。これに伴いCO2排出を年間212キログラム削減。ドライバーの運転時間も1人当たり年間285時間減らせるという。
 9月から実証実験に取り組み、安全性や乗客への影響を確かめ実現可能性を探っていた。運輸局は、事業の計画を19日付で認定。27日は松浦駅で両社の関係者らを集めた出発式を開く。

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