大物捕手・グランダルのWソックス移籍が市場に与える影響とは

昨オフ、メッツからの4年6000万ドルのオファーを拒否し、年俸1825万ドルの1年契約でブリュワーズに加入したヤスマニ・グランダルは、オールスター・ゲームに選出される活躍を見せ、ホワイトソックスから4年7300万ドルの大型契約を得た。フリーエージェント市場の注目株の1人だったグランダルの契約が決まったことは、市場にどのような影響を与えるのか。MLB公式サイトのアンソニー・カストロビンスが分析している。

カストロビンスはまず、グランダルの加入によってホワイトソックスの戦力がアップし、アメリカン・リーグ中部地区の優勝争いがより面白くなると見る。今季はツインズが昨季の78勝から101勝まで白星を増やし、インディアンスの地区4連覇を阻止したが、ホワイトソックスはグランダルだけにとどまらず、今後も積極的な補強を展開する見込みであり、地区王者・ツインズの座は決して安泰ではないだろう。

次に、今季18本塁打、OPS.789をマークして自身初のオールスター・ゲーム選出を果たしたジェームス・マッキャンが正捕手の座から弾き出されるため、トレード要員となる可能性が高いと見る。フリーエージェント市場には、ロビンソン・チリーノス、ジェイソン・カストロ、トラビス・ダーノウといった実力派捕手も残っているが、捕手の補強を目指すチームはマッキャン獲得を選択肢の1つとして考えることになるだろう。カストロビンスは、捕手の補強を必要としているチームとしてレイズ、レッズ、アストロズ、ナショナルズ、ブレーブス、アスレチックス、エンゼルス、レンジャーズ、ブリュワーズと多くの名前を挙げている。

カストロビンスはこのほか、グランダルが市場から消えたことにより、カブスからのトレード放出が噂されているウィルソン・コントレラスの価値が高騰すること、ブリュワーズは正捕手流出という守備面の穴のみならず、攻撃面での補強も必要となることなどを指摘する。グランダル獲得を狙っていたチームは少なくなく、これらのチームが今後どのように動くか注目だ。

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