AIで野菜の市場価格を予測 豊橋技術科学大学などがアルゴリズムを開発

豊橋技術科学大学は株式会社ファームシップと共同で、人工知能を活用した野菜の市場価格の予測アルゴリズムを開発。1、2カ月先の野菜の市場価格を高精度に予測することで、野菜の廃棄や販売機会の損失削減効果が期待できる。

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現在、植物工場の野菜需要は露地野菜の供給量の変動に大きく左右され、生産した野菜の廃棄や販売機会の損失が生じている。効率的な生産が可能であるにも関わらずその特徴を生かせていないのが現状だ。この課題を解決するため、新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)は、ビッグデータ収集と人工知能を活用した需給マッチングにより、植物工場での 野菜の廃棄や販売機会の損失の削減を目指す「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業に取り組んでいる。今回、NEDO、豊橋技術科学大学、ファームシップは、植物工場の野菜の需給マッチングの基礎として、AIを活用した野菜の市場価格の予測アルゴリズムを開発。野菜のこれまでの市場価格などのビッグデータをAIが機械学習し解析することで、1、2カ月先のレタスの市場価格を高精度に予測する。これにより栽培事業者における需要予測精度が高まり、野菜の廃棄や販売機会の損失削減効果が期待できる。 なお、ファームシップは、このアルゴリズムを使って、東京都大田市場のレタスの市場価格を予測して配信するサービスを栽培事業者向けに2019年11月下旬から提供開始する予定。今後、豊橋技術科学大学とファームシップは、このサービスで得た情報をもとに、「AIによる植物工場等バリューチェーン※効率化システム」の研究開発を進め、栽培物の成長制御や物流など各プロセスの最適化と組み合わせて、バリューチェーン全体の効率化を目指す。※バリューチェーンとは、野菜の栽培・出荷・物流・販売・消費といった各プロセスからなる、モノの流れ全体を指す。

参考:【豊橋技術科学大学】 AI を活用した野菜の市場価格の予測アルゴリズムを開発(PDF)

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