【バレーV1】石井優希「逃げずに戦う」 挽回めざす“女王”久光製薬

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<まさかの失速>
女子バレーボールVリーグ1部(V1)を連覇した久光製薬スプリングス(練習拠点:神戸市)が今季は苦しんでいる。
開幕2連勝で滑り出したが、3戦目の岡山シーガルズにストレート負けすると、続く日立リヴァーレ、NECレッドロケッツにも敗れ3連敗。岡山との再戦は雪辱したが、再び2連敗を喫して3勝5敗と黒星が2つ先行した。
21日、チームの体育館で練習を終えた石井優希キャプテンに話を聞いた。

石井:今季はチームが回っていない。セッターとスパイカーのコンビが合わない。セッターはスパイカーに、スパイカーはセッターに合わせようとするが、歯車が合わない。相手に何もさせてもらえない負け方というのはこれまでなかった。

<なんでだろう>
前週は、V1初参戦で今季まだ1勝のヴィクトリーナ姫路戦。本来なら優位に立てるはずの相手に、試合開始から立て続けに8点を奪われた。相手ホームとあって場内は姫路への声援一色。その中で主導権を奪えずストレート負けを喫した。

石井:試合前の週はいい練習ができたので自信を持って姫路戦に臨んだが、あの結果だったから、みんな『なんでだろう』と……。去年までベテランの古藤千鶴選手(ことう・ちづる セッター)がいて頼り切っていたのが大きい。その穴を埋めれてない。甘えてきたツケがいま回っている感じです」 

<疲労と重圧と>

久光製薬は、石井のほか、岩坂名奈、新鍋理沙と日本代表選手を3人擁する。春から夏にかけて合宿や国際試合が相次ぎ、9月のワールドカップを終えてチームに合流したのはV1リーグ開幕直前だった。

石井:今シーズンの代表はいつもよりも起用してもらったので、終わってから疲労がどっと来た。正直、疲れは抜けきれてない。
そこに初めてキャプテンをさせてもらっているのがちょっと重みに感じていて、考えなくていいことまでプレッシャーを感じている。
それにプラス、勝てないのが、全部が重なって…心が折れかけていたりするんです。

<負けて得たもの>
この日の練習はコートの選手を固定せず、何度も組み合わせを変えながら実戦形式で行われていた。練習後、石井キャプテンは選手たちに、「コートの中でコミュニケーションを取って、どんな組み合わせでも戦える準備をしておこう」と呼び掛けた。

石井:苦しい中で、どうやって勝つかということをひとりひとり考えるようになった。(選手の組み合わせを変えるなど)練習のやり方を自分たちで変えていこうとしている。それは負けて得たものだ。あとは這い上がっていくだけなので、全然あきらめてない。
負けるのを怖がって逃げたりせず、試合の中で挑戦し続けないと成長しない。勝つにしろ負けるにしろ、逃げずにプレーしていきたいと思います。

<次戦から交流戦>
12チームからなるV1リーグは「プレミア」と「スター」のカンファレンス(グループ)に分かれている。
次戦から交流戦が始まり、プレミアカンファレンスの久光製薬は、JTや東レなど今季まだ対戦がなかったスターカンファレンスのチームと順次戦う。
酒井新悟監督は、「交流戦はいい機会だ。(スターカンファレンスとの対戦は)1試合ずつしかなので集中したい。結果を出していって、毎週、良くなっていきたい」と話す。

久光製薬の交流戦第1戦はPFUブルーキャッツ戦(11月23日 岡山市)。女王の巻き返しに期待したい。
(浮田信明)