山口高ラグビー部2年ぶりV 6回目の全国大会出場

▲2年ぶりの優勝を決めて喜ぶ選手たち

 山口高(栗林正和校長)ラグビー部が、2年ぶり6回目となる第99回全国高等学校ラグビーフットボール大会への出場を決めた。全国大会は、12月27日(金)から東大阪市花園ラグビー場(大阪府)等で開催される。

 山口県予選の準決勝では、高川学園から11トライを奪い、75-0で5年連続の決勝進出を決めた。

 決勝戦でまみえた昨年の覇者・大津緑洋とは、互いに譲らない熱戦となった。前半21分にペナルティーゴール(PG)で3点を先制され、得意の早いパス回しで前半27分に梅田歩武選手(2年)がトライを決めて逆転するも、再びPGで点差を詰められる。1点リードで折り返した後半1分に逆転され、一転2点を追う展開に。相手モールへのディフェンスを修正し、低いタックルで守り続けた終盤、フォワードが粘ってつないだボールを村上青選手(2年)が一瞬の隙をついて逆転トライ。2年ぶりの花園への切符を手に入れた。

 岩崎洋監督は、今回の勝因に選手の精神力を挙げ、「最後まであきらめず体をぶつけ続け、ボールを奪ったことで、ワンチャンスのボールをトライまでつなげることができた」と振り返る。

 今シーズンの武器は、素早いパス回しと低いタックル。田中奨也主将(3年)は「最後の大会になるので、楽しんで自分たちのラグビーを全力でプレーしたい」と意気込む。今後の抱負を「モールディフェンスの強化」「一つ一つのプレーの質を上げる」とし、限られた時間の中でも改善に取り組む。岩崎監督は「基礎、基本プレーに徹し、そのうえでボールを動かす15人全員ラグビーを展開し、全国で1勝したい」と話している。

 12月2日(月)に、同部OB会会長も務める渡辺純忠市長を表敬訪問する。また、組み合わせ抽選会は同7日(土)に大阪市内で行われる。

来年創立150年を迎える山口高 ラグビー部は来年創立90年

▲校内の「記念館」

 山口高の前身である旧制山口中は1870年に創立された。以来、変遷を重ね来年2020年に創立150年を迎える。卒業生は4万人を超え、市内はもとより県内外、国内外の様々な分野で活躍している。

 同校内には、国指定登録有形文化財の「記念館」をはじめ、さまざまな石碑や記念樹が見られ、歴史と伝統の重みが感じられる。

ラグビー部の誕生

 同高にラグビー部が誕生したのは1930年。きっかけはその2年前の1928年の冬、熱血教師・田中敏一氏が東京で行われた体育指導講習会でラグビーの試合(東大対京大)を観戦したことだった。その試合の中で、ある選手の不正なプレーに対し、レフェリーの香山蕃氏が背番号を剥ぎ取り退場を命じて試合を続行。田中氏は「この節度のあるファイトこそ山口中に必要だ」と感銘を受け、ラグビーボールを3個買い求めて帰山したという。

 田中氏はラグビー部発足から戦時中の活動停止となるまでの13年間、同部の指導者を務めた。

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