第6シーズンとなるABBフォーミュラE選手権2019/2020年シーズンがサウジアラビア・ディルイーヤで開幕。22日に行われた第1戦は、5番手スタートのサム・バード(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)が勝利を飾った。
ニッサン・e.ダムスは、セバスチャン・ブエミがマシントラブルでリタイアするも、8番手スタートのオリバー・ローランドが4位に入った。
昨シーズンと同じく開幕戦の舞台はサウジアラビアの首都リヤド郊外に位置する歴史的な都市のディルイーヤ。フォーミュラE史上最多となる24台が参戦した。
6台ずつ4グループに別れ、6分の走行を行う予選。グループ2のサム・バードが1分14秒946を記録しトップでスーパーポールに。
2番手に0.08秒差で、ニック・デ・フリース(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)。グループ3でトップだったストフェル・バンドーン(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)とメルセデス勢は2台が進出。
エドアルド・モルタラ(ベンチュリ・フォーミュラEチーム)、アレクサンダー・シムズ(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)と続き、ジェローム・ダンブロシオ(マヒンドラ・レーシング)が6番手となる。
6台でポールポジションを争うスーパーポール。6番手のダンブロシオから1周ずつのアタックを行っていく。
ふたり目のアタックとなったシムズは、1分14秒563とバードが記録したタイムを大幅に更新しトップに浮上。
バンドーンも1分14秒台を記録するもシムズには及ばず。5番目のアタックとなったデ・ブリーズは、シムズのタイムをセクター2まで上回ったが、セクター3でタイムを落とし3番手となった。
ラストアタックとなったバードだが、セクター1でレコードラインを外してしまう。リカバーするも5番手となり、開幕戦はシムズがポールポジションを獲得した。
昨シーズンも速さを見せたBMW i アンドレッティ・モータースポーツは2年連続のポールポジションだ。シーズン6から初参戦のメルセデス勢も2、3番手と順調な走り出しを見せた。
迎えた決勝レース。45分+1周で争われる。シムズがホールショットを決め、メルセデスの2台もポジションをキープする。その後ろでモルタラとバートが激しい4番手争いを繰り広げる。
4周目、ブエミがマシントラブルでコース上にストップ。再び走り出すもリタイアとなってしまった。
シケインのアウト側に設置されたアクティベーションゾーンを最初に通過したのは21番手のジェームス・カラド(パナソニック・ジャガー・レーシング)。ローランドも7周目にアタックモードに突入。7番手のアンドレ・ロッテラー(タグ・ホイヤー・ポルシェ)を攻め立てる。
ロッテラーも翌周にアクティベーションゾーンへ。そのタイミングでローランドに交わされてしまう。
8周目にバードもアクティベーションゾーンへと向かうも、ゾーン通過に減速をするため、すぐ後ろのダンブロシオがパス。しかし、翌周のストレートでダンブロシオをオーバーテイク。さらに翌周にはストレートでモルタラも交わして4番手に。
11周目終わりでバンドーン、デ・フリースもアタックモードに入る。2秒の余裕があったシムズもマージンを利用して翌周にアタックモードへ。
シムズは14秒台で走行しトップをキープ。バンドーン、デ・フリースも約2秒差でシムズを追いかけていく。
18周目、モルタラを交わしたロッテラーが5番手に。その翌周に2回目のアタックモードへ突入。4番手のバードもアタックモードに入り、ポジションを守る。
22周目、バードがデ・フリースを交わし3番手に。バードはその勢いのままバンドーンを捉える。
翌周のストレートでバードがバンドーンに並ぶも、バンドーンはポジションをキープ。さらに前を行くシムズを交わし、トップに浮上。バードも続いて2番手にアップする。
シムズは4番手に落ちるもアタックモードに入り逆転を狙う。上位ではトップのバンドーンのみアタックモードを残しており、いかにポジションをキープしてアタックモードに入るかがカギとなってくる。
しかし、27周目のストレートでバンドーンのインに入ったバードがトップを奪取。シムズはポジションを回復できないままアタックモードが終了し、29周目にはローランドに交わされ5番手へと落ちる。
バンドーンは残り6分となった30周目に3番手に落ちながらアタックモードを消化。しかし、ここでダニエル・アプト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)がクラッシュしパーツが散らばったことでセーフティカーが導入される。
のこり1分半でリスタート。バードがトップをキープ。ロッテラー、バンドーン、ローランドの順で45分が経過し、ファイナルラップへ。
バードはロッテラーとの差を広げ開幕戦を制した。2位にロッテラー、3位にバンドーンが入り、ポルシェとメルセデスはデビュー戦で表彰台を獲得した。
ニッサン勢は、序盤でブエミがリタイアしてしまったが、ローランドが奮闘し4位でレースを終えている。