SNSいじめ相談、大幅増 「役に立った」8割 県教委

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 神奈川県教育委員会は22日、中学・高校生を対象に無料通信アプリ「LINE」(ライン)を活用して相談を受ける「SNSいじめ相談@かながわ」の2019年度実施結果を発表した。初めて実施した昨年度に比べ、対象者や期間を広げたことで相談件数は大幅に増加。「交友関係・性格の悩み」が最も多く、いじめに限らず多様な相談が寄せられた。

 いじめ問題について当事者がより相談しやすい環境をつくろうと、県教委は昨年度、中高生の多くが利用している会員制交流サイト(SNS)を使った相談を試行。県内101校、約5万8千人を対象に2週間実施したが、本年度は県内すべての中高生約44万人に対象を広げて夏休み終盤の8月26日から9月22日まで4週間にわたり実施した。

 相談アクセスは2456件(昨年度比2265件増)、相談対応は1473件(同1290件増)で、1件当たりの平均相談時間は58分(同30分減)だった。相談人数は901人(同770人増)に上り、性別は男子8.8%、女子34.1%、その他0.5%、不明56.6%。学年別(判明分)では中学生が501人、高校生は121人で、中高ともに1年生が最も多かった。

 悩みの内容は、交友関係・性格(24.6%)、いじめ(13.8%)、部活動(4.3%)、家族(3.9%)、恋愛(3.3%)の順で、「その他」が27.6%だった。

 相談直後のアンケート(回答241人)では、今回の相談について80.9%が「役に立った」と回答。「役に立たなかった」は7.1%にとどまった。

 県教委学校支援課は「緊急の対応が求められるような深刻な事案はなかった」とし、「手軽に相談できることから子どもたちの評価は高く、今後どのように対応していくかを検討していく」と話している。

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