ハミルトン、F1新CEO候補とうわさされるメルセデス代表の去就に注目。自身の契約に大きく影響と認める

 ルイス・ハミルトンはメルセデスF1チームとの将来について決断するうえで、チーム代表のトト・ウォルフが2021年以降もチームに残留するかどうかが影響するかもしれないと語った。

 つねづねハミルトンは、F1での残りのキャリアをメルセデスで過ごしたいと言及してきた。また、引退後はダイムラーのアンバサダーのような役割につくことも検討している。

 しかし6度のF1世界チャンピオンであるハミルトンは、圧倒的成功を収めているメルセデスと2021年からの新契約を締結すると決めるまでに時間を取るつもりだと語っている。

「ひとつのチームと長く一緒にいると、一心同体になったように感じる」とハミルトンは先週末、ブラジルGPを前に語った。

「(それでも新契約を結ぶには)細かいことのすべてに時間がかかる。時間を確保して、『僕たちの立ち位置や、次の目標は何か、他にどんなことを考えているのか?』といったことを話す必要がある」

 34歳になるハミルトンの決断の鍵になっているのは、チーム代表のウォルフ自身がメルセデスとの契約を延長するか否かだ。ウォルフについては、リバティ・メディアからチェイス・キャリーの後継者としてF1を取り仕切る役割を果たすことについて打診を受けているという噂がある。

 ウォルフとメルセデスの契約は2020年末で終了し、またキャリーは2020年末にF1のCEOの職務を離れるとの報道もなされている。

メルセデス代表のトト・ウォルフ

「難しいケースだ。ひとつのポジションに長く縛られるのは良いとは限らないと知っているからね。だから僕はいつも、皆が自分の翼を広げて自分自身のキャリアにとってベストな選択をしてほしいと願っている。そして何がベストかは本人にしか分からないよ」とハミルトンは語った。

「でもビジネスの場では適切な人材を配置する必要がある。彼(ウォルフ)は適切な人材であり、完璧な組み合わせだ」

「だから僕は自分がF1に残る限りは、彼に去ってほしくはない。でも最終的にそれは彼が選ぶことだ」

「このチームはひとりの人間でできているわけではない。巨大な組織なんだ。でも、僕にとっては重要なことだし、彼がどこへ行くか分かるのを待っているよ」

「彼のような人が経営すればF1は素晴らしい世界になるだろう。(メルセデスとともにF1へ参戦することよりも)もっと面白い経験になるかどうかは分からないけれどね」

 必要なプロセスであるとはいえ、契約交渉はハミルトンが好きなことではない。

「交渉は単なる対決だと思わないか?」とハミルトン。

「ひとつの契約をまとめ終えたと思ったら、もう次の契約の可能性について話を始めなければならない、まるでそんな感じだよ」

「それほどストレスを感じるわけではないが、契約の話が出てくると考えるのが億劫さ。それにある程度の時間を取らなければならないし、将来のことを考えるのは時に大変なことだ」

「だがもちろんチームに求められるのは嬉しいし、すぐに話をまとめられることを願っているよ」

© 株式会社三栄