メクル第416号 赤米栽培体験を発表 対馬市立豆酘小

地元に伝わる赤米について発表する豆酘小児童=豆酘小

 古代米「赤米(あかごめ)」を伝承(でんしょう)している国内3地域(ちいき)の関係者が集まる「赤米サミット」が20日、対馬(つしま)市厳原(いづはら)町豆酘(つつ)地区の市立豆酘小(松坂眞一(まつさかしんいち)校長、30人)であり、同校の5、6年生14人が体験した豆酘の赤米栽培(さいばい)や関連行事について発表しました。
 豆酘地区では大陸から伝わってきた稲(いね)の原種とされる赤米が千年以上前から栽培されているといわれ、地区内の神田(しんでん)で収穫(しゅうかく)した赤米をご神体としてまつる「赤米神事」は、国選択(せんたく)無形民俗文化財(みんぞくぶんかざい)になっています。
 国選択無形民俗文化財とは、地域に伝わる伝統(でんとう)行事や信仰(しんこう)など“形”のない文化財で、記録保存(ほぞん)の必要があると国が認(みと)めたものです。豆酘地区では、赤米に関して年間12回の行事が伝わっています。
 赤米サミットは赤米文化を後世に伝えていこうと対馬市が開き、神田で赤米が栽培されている岡山(おかやま)県総社(そうじゃ)市と、鹿児島(かごしま)県南種子(みなみたね)町の関係者を含(ふく)む約100人が参加しました。
 豆酘小5、6年生は、昨年6月の田植えから今年10月の稲刈(いねか)りまで約1年半にわたって体験した赤米栽培と行事について写真を示(しめ)しながら発表。5年の小島晴翔(こじまはると)君(10)は今年6月の田植え後に振(ふ)る舞(ま)ってもらった赤米ご飯などの感想を「働いた後の赤米と酢(す)の物はとってもおいしかった。赤米の甘酒(あまざけ)はヨーグルトのような味だった」と表現(ひょうげん)。6年の竹岡(たけおか)みさとさん(12)は「自分たちが育ったところには誇(ほこ)れるものがたくさんあることを伝えていきたい」と話しました。

© 株式会社長崎新聞社