第2陣も全員敗訴確定 被爆体験者訴訟 原告「腹立たしい」 最高裁

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 長崎原爆投下時に国が定める地域外にいたため被爆者と認められていない「被爆体験者」と遺族ら約200人が、長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた第2陣訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は原告側の上告を退ける決定をした。21日付。原告の一部を被爆者と認めた一審長崎地裁判決を取り消して全員の請求を退けた二審福岡高裁判決が確定した。

 国は、当時の長崎市の行政区域に沿って爆心地から南北約12キロ、東西約7キロを指定地域としている。その外側で半径12キロ圏内にいた人は被爆体験者とされ、被爆者健康手帳が交付されず、医療費は原則無料にならない。

 長崎地裁は2016年2月、年間積算被ばく線量が25ミリシーベルト以上の場合は健康被害が出る可能性があるという独自の判断を示し、原告のうち10人を、放射能の影響を受ける事情下にあった「3号被爆者」に当たると判断。初めて被爆体験者を被爆者と認めた。

 しかし、二審福岡高裁は昨年12月、10人の年間積算被ばく線量は18.7ミリシーベルトを上回らないと指摘。「年間100ミリシーベルト以下の低線量被ばくによって健康被害が生じる可能性があるとする科学的知見は確立していない」として全員の訴えを退けた。

 最高裁の決定を受け、弁護団の三宅敬英弁護士は「100ミリシーベルトという基準が独り歩きするのは容認できない」と批判。原告団長の山内武さん(76)は「腹立たしい思いしかない。半径12キロ以内で被爆したのに、被爆者ではないと差別され続けるのは納得できない」と憤った。

 体験者の第1陣訴訟では2017年12月、原告388人のうち入市被爆が認められた1人を除き敗訴が確定した。このうち28人が長崎地裁に再提訴して審理が続いている。