巨人移籍のパーラに地元記者が熱い惜別メッセージ「東京でも愛されるよ」

巨人への入団が発表されたヘラルド・パーラ【写真:Getty Images】

地元紙で惜別メッセージを掲載、その愛されっぷりとは…

 巨人が新外国人選手として獲得を発表したナショナルズのヘラルド・パーラ外野手は、本拠地ワシントンDCの人気者だった。地元紙「ワシントン・ポスト」のトーマス・ボズウェル記者はパーラに宛てた惜別メッセージを同紙のウェブサイトに掲載。記事からは、その愛されっぷりと、パーラという選手の特長が伝わってくる。

 ボズウェル記者は「ナショナルズがワールドシリーズ制覇を果たしてから3週間の間、私の心に最も残っていたナショナルズの選手は数字上は最も重要でない選手、ヘラルド・パーラだった」との書き出しで記事をスタート。パーラは今季途中にジャイアンツからフリーエージェント(FA)となり、ナショナルズに移籍したが、89試合に出場して打率.250、8本塁打、42打点にとどまった。しかし登場曲に採用した童謡「ベイビーシャーク」と、それに合わせて手を叩く“サメダンス”で一躍人気者となった。

「パーラのナショナルズへの影響は、私の野球記者人生の中で最も鮮明な記憶の1つとなるだろう。ダグアウトでのダンスから『ベイビーシャーク』の登場曲に渡るまで、パーラは怪我人が多くスランプに陥っていたチームを、お互いを支え合う生き生きとしたチームへと変わるきっかけとなった」

 決して目立った成績ではなかったが、今季の優勝にパーラが必要なピースとなっていたことは間違いなさそうだ。

「ヘラルドにとっていいことだ。東京で愛されるよ」

 しかし同記者は、来季からは日本でプレーすることになったと巨人移籍に言及すると、「パーラは25人目の選手として(主に)チームメートを応援するだけではなく、野球をプレーすることが大好きである。ナショナルズに残留していたら、ほとんどプレーできなかっただろう。他のメジャーリーグ球団と契約しても、ほとんどプレーできなかったかもしれない。だから、彼はプレーできるところに行った。そこは今季たった打率.234だったベテランにとって、(恐らく)メジャーの倍の年俸が得られる場所でもあるかもしれない。パーラは日本に行く。『ヘラルドにとっていいことだ。東京で愛されるよ』と皆が思うことのできる行先である」とこの選択を後押ししている。

 AP通信が伝えるところによると、1年200万ドル(約2億1680万円)、出来高込みで最大で約2億7000万円の契約だというが、ボズウェル氏は「彼はお金のためにそうしたのではない」と言い切る。

「すでに4237万1000ドル(約46億円)稼ぎ、メジャーリーグのサービスタイムは9年、年金も多く受け取ることができる。パーラはもっとプレーするために去った。そして、新しいチームメートたちを少しだけでも幸せにするために去った。ジャイアンツの選手の何人かはハグを必要としているかもしれない」と伝える。

 巨人は今季5シーズンぶりのリーグ優勝を果たしたが、日本一には届かなかった。来季このリベンジを果たすために、パーラは戦力としてだけでない効果をチームに産むかもしれない。(Full-Count編集部)

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