マリナーズがデビュー前の有望株と6年契約 最大9年5550万ドル

日本時間11月23日、「MLB Pipeline」のジム・キャリスが報じたところによると、マリナーズは2017年ドラフト1巡目指名の23歳の一塁手、エバン・ホワイトと6年2400万ドルの契約を結ぶことで合意したようだ。マリナーズからの公式発表はまだ行われていないが、3年分の球団オプションが付属し、最大9年5550万ドルになるという。ホワイトは「MLB Pipeline」が公開しているプロスペクト・ランキングで全体58位、球団4位にランクインしている。

ホワイトは今季AA級で92試合に出場して打率.293、18本塁打、55打点、OPS.838をマーク。29四球に対して92三振を喫するなど、打撃はまだ発展途上だが、走塁と守備に対する評価も高く、ゴールドグラブ級の守備力を持ったオールラウンドな一塁手に成長することが期待されている。

2018年にAAA級で4試合の出場経験があるホワイトだが、今季はAA級のみでプレイ。メジャーデビュー前の選手が長期契約を結んだ例は、2014年のジョン・シングルトン(アストロズ)、2018年のスコット・キンガリー(フィリーズ)、今年3月のイロイ・ヒメネス(ホワイトソックス)に続いてホワイトが4人目だが、AA級でフルシーズンを過ごした選手が長期契約を得るのはホワイトが史上初となった。

メジャーリーグでは、サービスタイム(メジャー登録日数)が6年に達するまではチームに保有権があり、そのうち最初の3年間は最低保証年俸に近い金額でのプレイを強いられる。しかし、ホワイトは今回の契約を得たことにより、1年目から最低保証年俸以上の金額を手にすることになるだろう(金額の内訳は不明)。将来的な高年俸よりキャリア初期からの安定を優先する形となったと言える。

一方、マリナーズとしては、好打と好守を兼ね備えた一塁手へと成長する可能性のある有望株を、比較的安価で長期にわたってキープすることができるようになった。少なくとも現時点では、ジェリー・ディポートGMはチーム再建を進めていくなかで、ホワイトに正一塁手を任せる方針のようだ。来春のオープン戦での出来次第では、ホワイトが開幕からレギュラーとして起用される可能性もありそうだ。

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