高校ラグビー 長崎北陽台 V2 勝って反省、花園は笑って終わる

 ラグビーの第99回全国高校大会長崎県大会最終日、長崎北陽台が長崎南山を26-19で下し優勝を飾った。

 反省点の方が多い試合になったが、最低限の結果は出した。昨冬の花園で、公立校唯一の8強入りを果たした長崎北陽台が、長崎南山の挑戦を退けてV2を達成。ノーサイド後、品川監督が笑顔一つ見せない選手たちに声をかけた。「勝って反省できるのはいいこと。まだ終わりじゃない。花園でこんな表情で終わるのはやめよう」

 前半は持ち味の前に出るディフェンスからリズムに乗った。16分から3連続トライを奪うと、後半5分にFBのエース山口がカウンターからトライを追加。63-0で勝った6月の県高総体決勝同様の展開になりかけたが、その後は流れが変わった。主将の岡崎が「口では“なめていない”と言っていたが、ひた向きさがなかった」と振り返ったように、逆に3トライを返されてしまった。

 そんな課題が残る内容ではあったが、見せるところは見せた。一人一人の接点の強さ、1、2年生が5人入ったFW陣の成長-。先頭に立って体を張り続けた副将のロック亀井は「前半の流れは悪くなかった」と一定の手応えを口にした。

 試合の進め方、流れの変え方、レフェリングとの兼ね合い…。確かに反省点は多かった。それでも、今大会は右脚を故障しているエース格の岡崎を欠きながら、しっかり勝ち上がった。「4強以上」を掲げて挑む全国大会まで約1カ月。「もう一度、ディフェンスを見直して、花園は笑って終わりたい」(岡崎)。その戦いに臨む姿勢は、もちろん、ひた向きに前へだ。

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