世界でブームの予感?『キャプ翼』ファン垂涎の大型コラボの秘密に迫る!

『キャプテン翼』――言わずと知れた、日本が生んだ世界的なサッカー漫画だ。

ジネディーヌ・ジダン、アンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキ、カリム・ベンゼマ、フェルナンド・トーレス、ハメス・ロドリゲス…『キャプテン翼』との出会いでサッカー熱を起こし、その後レジェンドとなったプレーヤーは数知れない。

そして、この度、東京発の新進気鋭スニーカーブランドであるプラスツバサ(+TSUBASA)とのコラボレーションスニーカーが登場した。

名シーンがプリントされたアイテムはどれもファン垂涎のものばかりで、ヒール部分にはそれぞれのキャラクターの背番号があしらわれるなど芸も細かい。

その拘りは至る所に散りばめられ、シューレースには通常ラインのものとは別に、日本を代表するシューレースブランド「KIXSIX」にプロダクト依頼した特別仕様のものが同梱されている点も見逃せないか。

今後はグローバル展開も予定されており、将来的には世界でブームが起こる予感が漂うなど、サッカーファンであれば抑えておきたいアイテムの一つと言えるだろう。

「今回の企画が生まれた経緯は?」、「今後の展開は?」と気になる点がいくつもあるが、プラスツバサの代表者を務める佐藤学氏に直撃した。

Qoly(以下、太字――):今日はよろしくお願いします。まずは、まだ『プラスツバサ』を知らない読者に向けて、どのような経緯でこの企画が生まれたかを教えて頂けますか?

佐藤学氏(以下、省略): スタートは5月にイタリアのショールームにお邪魔したところからですかね。

現地に到着するまでは「イタリアの靴=レザードレスシューズ」の印象が強かったのですが、いざ降り立ってみると、街はスニーカーで溢れかえっていました。連れて行ってもらったセレクトショップのアイテムもレザードレスシューズは二割ほどでした。

ーー 想像していた光景とは真逆のものが待っていた…と。

佐藤学: 本当にあの光景には驚かされました。

自分が行ったショールームのボスから出た言葉も「スニーカーは作れないの?作ってくれたら販売するよ」でしたし、かなり衝撃を受けましたね。

ですが、それが今回のブランドを作るきっかけになりました。

ーーそこから製作が始まり、7月にブランドを発表。年が明けて今年の2月にローンチとなるわけですが、「プラスツバサ」という名前に惹かれた方も多そうです。

元々、海外で成功するためにも「日本ぽさは取り入れたい」と考えていたんですが、同時に「ダサくはしたくない」という強い気持ちもありました。

世界に羽ばたいていくイメージと日本語である「ツバサ」というキーワードが湧いてきたんですが、今回ブランドを始めるにあたって周りの人たちに背中を押してもらえたように、今度はみんなの勇気を後押しできればとの思いで「プラスツバサ」とつけました。

「背中に“翼をプラス”して、色んなことに挑戦する勇気を持ちましょう、羽ばたきましょう」っていう前向きなネーミングで自分的にも気に入っています。 完成したスニーカーも非常に満足できる質でした。

長く付き合いのあるポルトガルのメーカーに生産を依頼したんですが、彼らからも「このブランドに携われて幸せだ」と言ってもらえて、あの言葉は嬉しかったですね。

ーーブランドお披露目となった展示会での評判も上々だったと聞いています。

はい、それから日本で展示会をすることになったんですが、予想を上回る反響を頂けました。

良くも悪くも日本では「ツバサ」自体がパワーワードなので、「あのキャプテン翼と関係があるブランドなのかな?」という先入観で見に来られた方も多かったんですが(笑)気付いたらその展示会の中で一番注文をもらっていましたね。

ーーその後のオマージュシリーズも評判が高かったようですね。

いくつかオマージュモデルを販売したのですが、「やっぱり、ストーリー性のあるものは、より人気があるんだな」という印象を持てましたね。

伊勢丹メンズ館でポップアップをさせて頂いた際には、とある世界的ハイブランドのオマージュモデルを限定販売したのですが、気に入って下さる方がすごく多かったです。

そうなると、次に芽生えた気持ちは「日本のサブカルを絡めたものもやりたいなー」でした。

しかし、ここまでくると「どうせやるなら公式でやりたいな」に気持ちが変わってくるんですよね。正式にライセンス契約を結んでやることはかなりハードルが高いのですが…。

――しかし、今回のキャプテン翼とのコラボが実現しました。

偶然元Jリーガーの方と話す機会があって、そこで「キャプテン翼の関係者の方を知っていますよー」と言われたんです。そうなれば、こちらは「是非よろしくお願いします!」となるじゃないですか(笑)。

で、最初は「どうなるのかなー」ぐらいの感覚で待っていたんですが、それからすぐに「話はしておいたんで、プレゼンよろしくお願いします」とメッセージがその方からきた(笑)。

この展開は、嬉しい反面「どうしよー!?」と少々戸惑いもあって、一か月ぐらい具体化せずに止まっていました。

ーーそこから改めて動き出したのは?

知り合いの展示会に行った時に、南葛SCに所属するマサくん(能登正人)と出会ったからですね。

能登正人のQoly限定コラムや過去インタビューはこちら!

共通の知人から彼を紹介してもらって話をしてみたんですが、そこで聞かされたのが「僕、キャプテン翼のチームでサッカーやってますよ」との衝撃的な一言(笑)。

こちらもそんな話がまさか出てくるとは思っていなかったので、ここでもまた「え!?」と面食らったんですが、「僕に任せてください!」と彼もまたすぐに動いてくれて、一週間後に先方の社長と話が進み、コラボの話が形となりました。

ーー我々も彼には大変お世話になっていますが、どこにでも登場しますね(笑)。

まず、マサくんが高橋陽一先生がオーナーをされている南葛SCに所属していることに驚きましたが、それ以上に国内外、サッカー内外に問わない豊富な人脈に驚かされました(笑)。

完成したスニーカーを、今回、Jリーグでプレーしている元スペイン代表や元日本代表選手に渡しに行ったのですが、これも彼のサポートがあったからこそですよ。

ーー今回のコラボは作品内の有名なシーンがピックアップされて描かれていますが、シーンの選択はスムーズでしたか?

早めに決まったものもあれば、最初に決まったものから変わっていったものもありますね。

やっぱり、僕自身がキャプテン翼で育った人間なので、色々なシーンを鮮明に覚えているんです。ツインシュートも真似してましたから(笑)。

で、自分の中の思い出のシーンを中心に集めて、「ツインシュート」、「日向くんのシュートシーン」、「翼くんX三杉くん」、「翼くんと若林くんの出会い」となりました。

当然「オーバーヘッド」とかも候補にはあったし、他の必殺技やキャラクターもあったのはあったんですけどね…。靴に入りきらなかったシーンはシューズボックスのほうでお楽しみください(笑)。

ーーここまで印象的なシーンが並ぶとファンとしては「次は何が出るんだろう?」という気持ちになりますが、第二弾のイメージはあったりするんですか?

具体的にはまだこれからですが、何となくイメージは持っていますね。一応、第一弾で次に繋がるようなところは入れていたりします(笑)。

ーーなるほど。「このシーンで終わるから、次はこれかな?」と、察しの良いファンは既に感が働いているかもしれませんね(笑)。

今回の全アイテムの情報が解禁となってからTwitterとかでファンの皆さんの反応を見ていたんですが、それだけでも面白かったです。

「何で松山くんがいないんだ!?」とか「立花兄弟のゴールポスト使うやつは!?」とかコメントがどんどん出てくるんです。 こちらも「たしかに、それもいれたかったー」という気持ちなりましたよ(笑)。

ーーそれぞれに「キャプテン翼と言えばこれ」というマイベストシーンがあるでしょうからね。Qolyユーザーの皆さんに「プラスツバサに使って欲しい、あなたの思い出の名シーンは?」と聞いてみても色々と出てきそうです。

それ面白いなー。是非やりましょう!

<インタビュー了>


さて、今回の直撃インタビューは楽しんで頂けただろうか。

この記事でプラスツバサの存在、そして『キャプテン翼』とのコラボアイテムを知った者もいるだろうが、「これは気になる!」とセンサーが動いた者は決して少なくないはずだ。

肝心の商品情報であるが、新宿伊勢丹メンズ館B1Fでは26日まで、大丸梅田店では12月3日までポップアップストアが開催され、11月27日からは全国各店とオンラインショップで販売が開始する。

そして、最後に飛び出したQolyとのコラボ企画案が実現するか否かも乞うご期待。

もしかしたら、あなたの思い出の名シーンが新スニーカーに選ばれるかも?

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