ローマ教皇 「殉教の丘」で一巡礼者として祈り

深い祈りに包まれた「日本二十六聖人殉教地」=24日午前11時3分、長崎市の西坂公園

 「一巡礼者として祈り、この兄弟たちの信仰に強められるために来ました」。教皇フランシスコは強い風雨の中、「殉教の丘」である「日本二十六聖人殉教地」(長崎市西坂町)に立ち、感慨を込めてあいさつした。

 西坂では、豊臣秀吉の命で処刑された二十六聖人をはじめ、禁教令などに従わずに信仰を守り通した多くの信者が殉教した。教皇が到着すると、集まった信者ら約千人が歓迎。教皇は記念碑に献花し、深い祈りをささげた。

 教皇はあいさつで、世界各地の宗教に対する迫害を念頭に「世界の隅々に至るまで、信教の自由が保障されるように声を上げよう」と呼び掛けた。隣接する記念館も訪ね、禁教期の潜伏キリシタンが隠し持っていた絵画「雪のサンタマリア」などを見学した。

 幕末維新期の弾圧で殉教した五島・久賀島の信徒の子孫で、父や娘と一緒に教皇の献花をサポートした長崎市の小島真知子さん(43)は「もっと信仰心を強め、子どもたちに伝えていきたい」と教皇の姿に感銘を受けていた。

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