教皇は「友人」 修道士・ガルシアさん、再会に笑顔 日本二十六聖人記念館の前館長が出迎え

教皇と再会した喜びを語るガルシアさん=24日午前11時24分、長崎市の西坂公園

 日本二十六聖人記念館(長崎市西坂町)の前館長で修道士のアントニオ・ガルシアさん(90)は、二十六聖人殉教地で教皇フランシスコを出迎えた。教皇は「古い友人」と呼ぶガルシアさんと抱き合い、うれしそうに言葉を交わした。
 ガルシアさんはスペイン出身。「原爆で傷ついた人たちのために働きたい」と1950年に来日し、広島、東京、長崎の修道院や学校などで働いた。教皇との出会いは87年。神学校の教え子に会うために来日して修道院に宿泊した教皇の接待を担当した。以来32年間、教皇と文通を続けている。「教皇は自分の苦しみを話せる特別な友達」と言うほどの間柄だ。
 数年前には「原爆の悲惨さを表す写真を教えないといけない」と思い、元米従軍カメラマンの故ジョー・オダネル氏が撮影した「焼き場に立つ少年」の写真を教皇に送った。教皇はその後、写真を世界に広めるように指示した。
 教皇と会うのは2014年にバチカンを訪ねて以来だった。ガルシアさんは「パパ様も再会を待っていたようだった。これまでの手紙のやりとりを思い出した」と喜びでいっぱいの様子だった。

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